2024-11-21
アルメニアという国について|代理出産の渡航先としても人気の理由は?
コーカサス地方に位置するアルメニア。日本ではあまり馴染みのない国ですが、世界最古のキリスト教国家として知られ、壮大な歴史と豊かな文化を育んできました。近年では、代理出産を希望する日本人夫婦の渡航先としても注目を集めています。
この記事では、アルメニアがどんな国なのか、その歴史、文化、観光スポット、そして代理出産に関する情報まで、幅広くご紹介します。
アルメニアってどんな国?
アルメニアは、コーカサス地方に位置する内陸国です。西はトルコ、南はイラン、東はアゼルバイジャン、北はジョージアに囲まれた場所に位置しています。人口は約300万人で、国土面積は約2.98万平方キロメートルと、日本の四国ほどの大きさです。
旧約聖書においてノアの方舟が辿り着いたとされるアララト山の麓に位置する、世界最古のキリスト教国がアルメニアです。
アルメニアの言語・通貨・宗教について紹介します。
アルメニアの言語
アルメニアの公用語は「アルメニア語」です。インド・ヨーロッパ語族に属する独立した言語で、独自のアルメニア文字を使用します。
アルメニア語は、大きく分けて東アルメニア語と西アルメニア語の2種類の方言が存在します。アルメニア共和国の公用語は東アルメニア語で、日常会話や教育、メディアなどで広く使用されています。一方、西アルメニア語は、主にアルメニア国外の移民コミュニティで使用されています。東西のアルメニア語は、発音や語彙、文法に違いがあり、異なる言語と認識されることもあります。
観光地では英語やロシア語も通じる場合がありますが、地方に行くとアルメニア語のみの場合もあるので、挨拶程度のアルメニア語を覚えておくと良いでしょう。
アルメニアの通貨
アルメニアの通貨はドラム(AMD)です。補助通貨はルマで、100ルマ=1ドラムです。日本円から直接両替することは難しいため、米ドルやユーロなどを経由して両替するのが一般的です。クレジットカードは、スーパーマーケットやレストラン、ホテルなどで広く利用できます。
ただし、地方や小さな商店では現金しか使えない場合もあるので、ある程度の現金は用意しておくと安心です。
アルメニアの宗教
先述の通り、アルメニアは世界最古のキリスト教国家として知られており、国民のほとんどがアルメニア使徒教会に属しています。アルメニア使徒教会は東方諸教会に分類され、ローマ・カトリック教会や東方正教会とは異なる教義や儀式を持つ独自の教会です。アルメニアの教会建築や宗教芸術などには、キリスト教文化が深く根付いています。
アルメニアには少数派ではありますが、他の宗教を信仰する人々も暮らしています。例えば、ロシア正教会やイスラム教、ユダヤ教などを信仰する人々がいます。これらの宗教の信者たちは、アルメニア国内でそれぞれの宗教施設やコミュニティを形成し、信仰生活を送っています。
このように、アルメニアはキリスト教徒が多数を占める国ですが、他の宗教も共存しており、宗教的な多様性が認められています。
アルメニアの歴史と文化
アルメニアを訪れる際は、歴史と文化を理解しておくことでより充実した観光スポット巡りができるでしょう。また、現地の方に敬意を示すためにも、どのような歴史を辿ってきたのか知っておくことは重要です。
アルメニアは、キリスト教国家としての成立から、大規模な虐殺や旧ソビエト連邦による支配など、激動の歴史を持つ国です。アルメニアの歴史と文化について紹介します。
世界最古のキリスト教国家「古代アルメニア王国」
アルメニアは、非常に長い歴史を持つ国です。
紀元前1世紀に、アルメニア王国はティグラネス大王によって世界で初めてキリスト教を国教に認めました。正式には、アルメニア王国のティリダテス3世がキリスト教を国教と定めた紀元301年がキリスト教国家誕生の年となっています。
これはローマ帝国がキリスト教を公認する313年よりも前の出来事であり、アルメニアのキリスト教の歴史の深さを物語っています。
これにより、アルメニアはキリスト教国家へと変貌を遂げ、教会や修道院が建設されるなど、キリスト教文化が花開きました。5世紀には独自のアルメニア文字が作成され、聖書が翻訳されるなど、アルメニア独自のキリスト教文化が発展していきました。
ソビエト連邦時代を経て共和国として独立
近代に近づくにつれ、アルメニアは複雑な歴史を歩みます。第一次世界大戦中の1915年から1923年にかけて、オスマン帝国によって多くのアルメニア人が虐殺されるという悲劇に見舞われました。この出来事はアルメニア人虐殺として知られています。その後、アルメニアは1920年にソビエト連邦に併合され、アルメニア・ソビエト社会主義共和国となりました。ソ連時代、アルメニアは工業化が進み、経済も発展を見せましたが、他方で言論や文化活動は制限され、民族独自のアイデンティティ維持にも困難が伴いました。
しかし、アルメニアの人々は民族としての誇りと独立への希望を持ち続けました。そして、冷戦終結の機運が高まる1991年9月21日、ついに国民投票によってソビエト連邦からの独立を宣言し、アルメニア共和国が誕生しました。
アルメニアの観光スポットと美しい自然
アルメニアに滞在する際にぜひ訪れたい、観光スポットを紹介します。
- 首都エレバン
- セヴァン湖
- タテフ修道院
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
首都エレバン
アルメニアの首都エレバンは、コーカサス地方に位置する同国最大の都市であり、政治、経済、文化の中心地です。標高は約990mの高地にあり、街の背後には雄大なアララト山がそびえ立ち、その美しい景観はエレバンの象徴となっています。紀元前8世紀に築かれたエレバンは、3000年以上の歴史を持つ古都であり、街中には歴史的建造物と近代的な建物が調和した独特の雰囲気を醸し出しています。
エレバン中心部には、共和国広場と呼ばれる広大な公共空間が広がっており、アルメニア政府の庁舎や美術館、ホテルなどが立ち並んでいます。周辺には、おしゃれなカフェやレストラン、ブティックなどが軒を連ね、市民や観光客で賑わっています。また、街の至る所に緑豊かな公園が点在し、市民の憩いの場となっています。
セヴァン湖
アルメニアの美しい自然を語る上で欠かせないのが、セヴァン湖です。標高約1900mの高地に位置するこの湖は、アルメニアの真珠とも呼ばれ、国土面積の約5%を占める広大な淡水湖です。その大きさは琵琶湖の約12倍にも及び、まさにアルメニアの自然の象徴と言えるでしょう。
セヴァン湖は、周囲を雄大な山々に囲まれた湖です。湖畔には、歴史的な修道院や教会が点在し、自然と歴史が融合した独特の景観を作り出しています。特に、セヴァン半島に位置するセヴァナヴァンク修道院は必見です。9世紀に建てられたこの修道院からは、セヴァン湖の壮大なパノラマを一望することができます。青い空と湖のコントラスト、そして緑豊かな自然との調和は、訪れる人々に深い感動を与えます。
タテフ修道院
アルメニア南部、スユニク地方の深い渓谷に位置するタテフ修道院は、息を呑むような絶景の中に佇む、アルメニア正教会の重要な巡礼地です。9世紀に創建されたこの修道院は、中世アルメニアの宗教、文化、学問の中心地として栄えました。その壮大な建築物と周囲の自然美は、訪れる人々を魅了してやみません。
タテフ修道院へは、「Wings of Tatev」と呼ばれるロープウェイでアクセスできます。約6キロメートルの空中散歩は、まさに絶景の連続です。眼下に広がる深い渓谷と、その上に悠然と佇む修道院の壮大な景観は、忘れられない体験となるでしょう。ロープウェイからの眺めは、アルメニアの雄大な自然を体感できる絶好の機会です。
アルメニアの世界遺産
アルメニアは「石の国」と呼ばれるほど、歴史的価値の高い、古い石造りの建造物が残っています。その多くは世界遺産として認められており、キリスト教の歴史を物語る重要な建築群となっています。その中から、
- ハフパット修道院
- エチミアジンの大聖堂
- ゲガルド修道院・アザト川上流域
3つの世界遺産を紹介します。
ハフパット修道院
アルメニアの世界遺産の一つに、ハフパット修道院があります。ハフパット修道院は、今から1,000年近く前にあたる10世紀から13世紀にかけて、アルメニアの宗教、文化、学問の中心地として栄えました。
ハフパット修道院は標高約1,000mの高原に位置し、周囲には雄大な自然と調和した美しい景観が広がっています。主要な建築物は聖ヌシャン教会で、ドーム型の屋根と精巧な彫刻が特徴です。付属の図書館は、中世アルメニアの写本が多く所蔵されていることで知られています。13世紀には地震の被害を受けましたが、その後修復され、現在も重要な宗教施設として機能しています。
13世紀半ばのアルメニア地方はオスマン帝国などによる侵攻を受けましたが、この修道院は破壊されず、荘厳な姿を残しています。
エチミアジンの大聖堂
アルメニアの世界遺産の一つに、エチミアジンの大聖堂があります。正式名称は「聖エチミアジン大聖堂」で、アルメニア使徒教会の総本山です。アルメニアの首都エレバンから西へ約20kmの場所に位置するエチミアジン市にあり、アルメニア正教会の総主教座が置かれています。「エチミアジン」という名前は、アルメニア語で「神の独り子が降臨した場所」という意味です。
エチミアジンの大聖堂は、度重なる地震や侵略によって破壊と再建を繰り返しており、5世紀から7世紀にかけて現在の形に改修されました。大聖堂は、アルメニア建築の典型的な特徴である、中央にドームを持つ十字型の平面プランとなっています。外観は簡素な石造りですが、内部はフレスコ画や装飾で彩られています。
ゲガルド修道院・アザト川上流域
アルメニアの美しい世界遺産の一つとして、ゲガルド(ゲハルト)修道院・アザト川上流域が挙げられます。
ゲガルド修道院は、13世紀に岩窟教会として建設されました。「槍の修道院」という意味を持つゲガルドの名は、キリストが十字架にかけられた際に使われた聖槍がここに保管されていたという伝承に由来します。アザト川渓谷の切り立った崖に部分的に埋め込まれるように建てられた修道院は、周囲の自然景観と見事に調和しています。複雑な構造と精巧な彫刻が施されたこの修道院は、アルメニア建築の傑作と称えられています。
ゲガルド修道院はアザト川上流域に位置し、渓谷の美しい自然に囲まれています。周囲の断崖や緑豊かな渓谷は、訪れる人々に深い感銘を与えます。ゲガルド修道院・アザト川上流域は、アルメニアの歴史と文化、そして自然の美しさを体感できる貴重な場所です。
アルメニアの人々と暮らし
アルメニアで暮らすアルメニア人の方々は、温厚で心優しい人が多く、観光客も暖かく迎え入れてくれます。特に日本人に対して好意的に感じる人が多く、比較的親日家が多いといえます。
アルメニアと日本は約7,700kmも離れていますが、なぜ日本に対して親しみを抱いてくれるのでしょうか。それには、意外な歴史的背景が関係しています。
アルメニアと日本の深い絆
今から100年ほど前、第一次世界大戦下のアルメニアにおいて、宗教の違いによるジェノサイド(民族虐殺)が行われ、150万人ものアルメニア人が亡くなりました。
この時、故郷からの退避を余儀なくされた60万人近くのアルメニア難民を支援するため、率先して募金による人道支援を行ったのが、日本の渋沢栄一でした。
アルメニアのアルメン サルキシャン大統領は2021年に訪日し、渋沢栄一のひ孫にあたる渋沢雅英さんと対面し、感謝のメダルを贈りました。
温厚でおもてなしの精神を持つアルメニア文化
アルメニアの人々は、温厚で親切な国民性で知られています。家庭では、家族や親族を大切にする文化があり、年長者を敬う意識も高いです。
アルメニア人は初対面の人にも気軽に話しかけ、困っている人を見かけると積極的に手を差し伸べるなど、おもてなしの精神が根付いています。アルメニアの地方では外国人観光客が珍しいため、意気投合すると「ぜひ自宅に来て、一緒に食事をしましょう」と気軽に誘われることも少なくないそうです。
ただし、全てのアルメニア人が必ず善人とは限りません。怪しい誘いは鵜呑みにせず、危険に巻き込まれないように注意しましょう。
アルメニアは商業的代理出産を認めている国
アルメニアは、商業的な代理出産を法的に認めている数少ない国のひとつです。
代理出産に関する法律が整備されており、比較的費用も抑えられるため、近年、海外からの依頼が増加しています。 そのため、子どもを持つことが難しい日本人夫婦にとっても、アルメニアは代理出産を選択肢のひとつとして検討可能な国となっています。
日本人夫婦の渡航も可能
日本国内では代理出産に関する法整備が進んでおらず、実質不可能となっています。しかし、アルメニアやウクライナ、ジョージアといった商業的代理出産が可能な国に渡航することで実施できます。海外の代理出産で生まれた赤ちゃんを我が子として日本で育てることは法的に問題なく、実際に多くの日本人夫婦がウクライナ等に渡航し我が子を授かっています。
商業的代理出産を認めている国について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
『商業的代理出産を認めている国一覧。安全な代理出産を行える国とは』
アルメニアで代理出産を行う場合の注意点
アルメニアで代理出産を行う際には、いくつかの法的、倫理的、そして実務的な注意点に留意する必要があります。代理出産は複雑なプロセスであり、予期せぬ問題が発生する可能性もあります。事前にしっかりと準備し、専門家のアドバイスを受けることが重要です。
アルメニアで代理出産を行いたいとお考えの場合は、必ず代理出産エージェントのサポートを受けましょう。個人での代理母探しや医療機関との提携が困難で、トラブルの種になりかねません。
「Baby For You」は海外での代理出産をサポートします
海外での代理出産を安心してお任せできる仲介業者をお探しなら、ぜひ「Baby For You」にご相談ください。
Baby For Youでは、これまでに多くの日本人ご夫婦へ赤ちゃんをお届けしてきました。会社組織として海外の医療機関と信頼関係を築き、弁護士も在籍している、実績のある代理出産エージェントです。
代理出産プログラムのほか、卵子提供プログラム、精子提供プログラム、着床前診断・男女産み分けプログラムを提供しています。
Baby For Youは現在、アルメニアでの代理出産は提供しておりませんが、ウクライナやジョージア、カザフスタンの医療機関と提携し、安心・安全な代理出産を行っています。
厳しい審査による健康な代理母の選定や、海外現地でのサポート、日本国籍を取得するための手続きなど、さまざまな面から依頼者さまをサポートいたします。
まとめ
この記事では、アルメニアという国について、その歴史、文化、観光、そして代理出産という側面から多角的にご紹介しました。アルメニアは、世界最古のキリスト教国家として独自の文化を育み、ソビエト連邦からの独立を経て、現在も発展を続けている国です。首都エレバンやセヴァン湖、タテフ修道院といった美しい自然と歴史的建造物が多く、観光地としても魅力的です。また、ハフパット修道院やエチミアジンの大聖堂など、ユネスコの世界遺産にも登録されている貴重な文化遺産も数多く存在します。
アルメニアは商業的代理出産が可能な国です。海外での代理出産を検討されている方は、ぜひ「Baby For You」にご相談ください。
※本記事の内容は、2025年11月時点の情報に基づいて作成しています。今後、ルールや法律の変更により内容が事実と異なる場合もありますので、ご了承ください。
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