SURROGACY 不妊症と不妊治療
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不妊症と不妊治療についてご紹介します。
不妊症とは
「不妊症」とは、なんらかの治療をしないと自然に妊娠する可能性がほとんどない状態をいいます。
本来は特に病気のない健康な男女が妊娠を希望し、避妊をせず性交渉をすると一定期間内(※1)に多くの女性の方が妊娠します。
しかし一定期間を過ぎても妊娠しない場合は、その後にいくらタイミングを合わせても自然に妊娠する可能性は低く、不妊症と診断されることになります。
現在の日本では不妊症に関して、年齢が高い場合は、より早期に検査と治療を開始したほうがよいという考えが一般化しており、女性においては、月経不順や無月経期間が長く排卵がうまくいっていなかったり、子宮内膜症や子宮筋腫があって月経が辛いなどの症状がある場合は、不妊症である可能性が高くなります。
(※1)ここでいう一定期間は年齢によって異なります。その期間については1年から3年までの諸説あり、2年というのが一般的でしたが平成27年8月29日に日本産科婦人科学会は1年に短縮としています。
晩婚化に伴い、変化する日本の不妊状勢
女性の自然妊娠確率を年齢別にみると、25~30歳で25~30%、35歳で18%、40歳で5%、45歳で1%と、
妊孕力(妊娠力)は30歳位から徐々に低下し、37歳からは急速に低下します。女性が45歳を過ぎるとたとえ排卵や生理があっても、赤ちゃんを作ることの出来る強い卵子はできなくなってしまうために妊娠の可能性はほとんどなくなります。
また、先天性の病気の可能性、帝王切開や流産などの割合が一番低い年代は20代前半と言われており、20代前半がヒトを生物学的にみた場合の出産の適齢年齢といえます。
そのため、多くの女性が20代で結婚・出産していた1980年代ごろまでは不妊症の原因は生殖機能の何らかのトラブル(排卵障害、子宮筋腫、卵管閉塞など)を要因とする場合がほとんどでした。
しかし女性の社会進出に伴う晩婚化や共働き化に伴う出産年齢の高齢化もあり、2021年の厚生労働省のデータでは男性の初婚年齢の全国平均は30.4歳、女性は28.6歳、初産の年齢も2011年以降「30代の初産」が定着しており、「高齢出産」の割合も1980年代では数%だった割合に対し、2019年には約30%と3〜4人に1人が高齢出産となっています。
このように1980年台と現在では環境や体の変化とともに妊娠・出産の形も変わってきています。
不妊に悩む夫婦と急速に増加していく日本の不妊治療
いつでも子どもが出来るだろう、という考えは古い考え方になりつつあります。
「子どもを持ちたい」と思いつつ、なかなか妊娠しないと不妊に悩むご夫婦は年々増加傾向にあり、最近では6組に1組と言われるまでになっています。
そのため、国内の不妊治療も増加傾向にあり、不妊治療日本産婦人科学会2019年のデータでは年間の誕生した赤ちゃんの約7%、14人に1人が体外受精(※2)で誕生しています。
そのうち、約60%が高齢出産(35歳以上での出産)で産まれており、平成12年の約12%と比べて約5倍に増加しています。
(※2)女性の子宮から卵子を取り出し、体外で受精させた後、受精卵(胚)を子宮に戻す(ET)方法。
考えられる不妊の原因
ここでは不妊の原因とされる症状を
ご紹介いたします。
女性側
排卵障害
卵巣の中で卵がうまく育たないこと、排卵しないことです。
排卵障害の8割といわれるのが、卵子が育っているにもかかわらず、卵巣から飛び出すことができない「多嚢胞性卵巣症候群」です。
卵巣にたくさんの卵胞がみえることが特徴で、体にもホルモンバランスの異常、月経不順や無月経といった症状がでることもあります。
卵管閉塞
卵管が狭い、詰まっている、癒着があるなどで受精できなかったり、受精卵が移動できない場合で、左右とも閉塞していれば自然妊娠は難しくなります。
子宮頸管の精子通過障害
子宮頸管は、排卵時期にはホルモンの影響で分泌液が増加して精子を受け入れやすい状態になりますが、分泌液が十分に分泌されないと子宮頸管を通過できないということが起こります。
子宮の着床障害
子宮に筋腫やポリープがある場合は、その大きさや位置によっては受精卵が子宮内膜に着床できない場合があります。また、黄体ホルモンの分泌が足りないと子宮内膜が厚くならず着床しにくくなることがあります。
卵子はホルモンの指令によって成長しますが、ホルモンバランスが崩れ、ホルモンの分泌量が少なかったり、卵巣が指令をうまく受け取れないと卵子がうまく育ちません。過度のダイエットやストレスが原因になることもあります。
男性側
勃起障害
十分に勃起しない、勃起しても射精しない、膣内に射精できないなどがありますが、ストレスや不安など心因性の場合が多いとされています。
精路閉塞
精子の輸送経路のどこかが狭くなったり、閉じたりして精子がうまく運ばれなくなると精液中に精子が少なくなったり、まったくいなくなる状態を招いてしまいます。
造精機能障害
精子をつくる機能が障害を受け、精子をつくる働きが低下している状態で、精子の数が少ない(乏精子症)、元気な精子を数多くつくれない(精子無力症)、奇形精子が多いなどの軽度のものから、精液の中に精子が見当たらない場合(無精子症)などの重度のものまであります。
精子はさまざまなハードルを乗り越えて卵子にたどり着きますから、多数の元気な精子がいたほうが有利です。
上記が原因として認められる症状となりますが、妊娠が成立するためには受精して着床するまでに様々な条件があるため、
妊娠しない原因も様々な要因があり、男女共にはっきりした原因がわからないことも多くございます。
妊娠を考えるにあたり、まず自分のライフスタイルを見直し、気になる点があれば専門医に受診するということをおすすめします。
不妊治療とは
不妊の原因となっている問題の多くは、最後まで原因がはっきりしないものが少なくありません。
また、妊娠しない理由は女性または男性だけにあるというものでなく、実際はほぼ同じ確率で、妊娠しない原因となる要素がいくつか見つかるのが通常です。
不妊治療を行うにあたって、男性への治療は生殖能力を回復させる目的で薬物、栄誉療法で精子を作る機能を正常化したり、手術療法で精液の状態の改善を行い、女性への治療は精子と卵子を近づけることが目的で、男性側に不妊の問題があっても最終的な治療は女性に施されます。
不妊治療の一般的な流れは最初は検査を受け、その後、一般不妊治療を行い、状況に応じて体外受精といった高度生殖補助医療(ART)に進んでいくのが一般的です。
女性の方は産婦人科などの受診するにあたり、まずは基礎体温を記録しておくといいでしょう。
基礎体温とは、朝目が覚めたら起き上がる前にすぐに測る体温のことで、専用の体温表を使って記録します。
グラフを数周期つけてみると自分の月経や排卵のパターンがつかみやすくなります。自身の卵巣機能のサイクル状況を知ることにも役立ちます。
一般不妊治療
不妊治療の初期段階では「タイミング法」や「人工授精」といった一般不妊治療と呼ばれる治療法を行います。
一般不妊治療は、精子と卵子が自らの能力に応じ体内で受精するため、
赤ちゃんからすると自然妊娠との違いがないのが特徴です。
タイミング法
一般的な不妊治療の流れとして、最初に行うのが「タイミング法」です。
タイミング方は基礎体温表をもとに、ホルモン測定や超音波検査、尿中LH測定、頚管粘液検査等を駆使して妊娠の確率が最も高い排卵日を予測して、排卵日前後に性生活を持つことで妊娠を目指す治療法で、不妊治療の中でもっともスタンダードな治療法です。
人工授精(AIH)
タイミング法で数周期に渡って行っても効果が認められない場合は精子と卵子をより近づける治療として人工授精を行います。
通常、運動性が少なかったり濃度が低い精子は頸管(子宮の入り口で膣と子宮膣をつなぐ部分)を超えて子宮内に進むことが大変困難になります。
人工授精では排卵周辺期に濃縮した精子を子宮内に送り込む手法で、少しでも多くの精子が頸管を超えて子宮に届くように子宮内に細いカテーテルを挿入し、運動精子を注入する方法です。
妊娠そのものは自然に近く、簡単で苦痛がないのが人工授精の特徴です。
また、人工授精は保険適用外の治療法でしたが2022年4月から保険適用となっています。
高度生殖補助医療(ART)
体内において両方の卵管が閉塞している、排卵した卵をキャッチする役目をする卵管采が卵子をピックアップできない、
加齢により卵子の質が低下してしまっている、もしくは男性の精子が少ないなど、
一般治療を行っても妊娠しない場合は高度生殖補助医療(ART)を行います。
高度生殖補助医療(ART)は主に受精卵や胚を扱う治療法で、「体外受精・胚移植(IVF-ET)」、
「顕微授精(卵細胞質内精子注入法、ICSI)」、「凍結胚・融解移植(FET)」があります。
精子と卵子が出会えていない、もしくは出会いにくいと考えられる場合に確実に精子と卵子を出会わせる治療方法です。
高度生殖補助医療は年々増加傾向にあり、2019年の日本産婦人科学会のデータでは
60,598人の赤ちゃんが高度生殖補助医療(ART)で生まれたとされ、
2019年に生まれたすべての赤ちゃんの約7%(14人に1人)の割合を占めています。
また、以前は保険適用外の治療法だったため費用もかなり掛かっていましたが、2022年4月から保険適用となっています。
体外受精・胚移植(IVF-ET)
女性の卵巣に形成された成熟卵胞から卵子を体外に取り出し(採卵)、シャーレの中で夫の精子と受精させた後、その受精卵を培養器の中で数日間育て、発育させた後、その受精卵(胚)を子宮内に戻す(ET)方法。
受精・培養した胚だけを戻すため、自然妊娠や人工授精よりも妊娠する確率は高まります。
日本産婦人科学会の報告では、2019年の移植当たりの妊娠率は23%、採卵当たりの妊娠率は3%です。
顕微授精(卵細胞質内精子注入法、ICSI)
卵子の中に1個の精子を直接注入して受精させる方法。精子の数が極端に少ないといった男性不妊に有効な治療法です。精子の数が少なかったり、精子の運動率が悪いなどの男性因子に問題があって通常の体外受精では受精できないような場合には有効な方法です。
日本産婦人科学会の報告では、2019年の移植当たりの妊娠率は14%、採卵当たりの妊娠率は2.2%です。
凍結胚・融解移植(FET)
一回の採卵で多くの卵子が取れた場合に胚を凍結保存しておき、その胚をとかして移植することにより、身体に負担のかかる採卵を避けながら、効率的に妊娠の機会を増やすことができる治療法です。移植する胚は多胎妊娠を防ぐために原則として1個とするよう(35歳以上の方並びに2回目以降の治療の方は2個以内)日本産婦人科学会から勧告されています。それ以上の受精卵がある場合に凍結保存しておけば次回採卵しなくてもよくなります。
保存期間は病院によって違いますが、凍結した胚の生存率は、液体窒素内で半永久的に維持できるようにされています。
その他の不妊治療
その他にも補助や追加の治療としては、
妊娠の可能性を高める目的で受精卵を胚盤胞という状態(受精から着床に近い状態)まで培養してから子宮に戻す
「胚盤胞移植」という方法や子宮に戻した胚(受精卵)が着床しやすくなる目的で、胚の表面の透明帯に穴を開けたり、
スリットを入れたりするアシステッドハッチング(AHA)という方法の他、
サプリメントや漢方薬、体の血流をよくする温熱治療器なども活用されています。
日本の不妊治療と代理母出産(代理出産)
不妊治療は認知度も上がってきており、テレビに報道され始めたばかりの1980年代より周りの理解も得られつつある状況になってきてはいますが、まだまだ「不妊治療をしている。」とオープンに話すというのは難しいのが現状です。
不妊治療を行うにあたっての障害と治療中の心身の負担
不妊治療を行うにあたって、病院に通うために仕事を辞めたり、もっと時間の融通のきく仕事に転職するということも不妊治療を進めるうえでの障害になります。
また、子宮卵管造営検査(※3)やホルモン注射などの痛み、吐き気やだるさといった身体的な負担に加え、治療を進めていく上で「生理がくる度に落ち込む。」、「ゴールはあるのか、いつ赤ちゃんをあきらめるのか。」、「治療の結果が思うように出ず、パートナーや両親、義理の両親に申し訳ない。」などの精神的な負担も大きいといえます。
(※3)月経終了後~排卵前の低温期に渡って行われる検査で、子宮内に注入した造影剤が子宮から卵管に流れていく様子をレントゲン撮影によって調べ、
子宮の中の形状や、卵管のつまりなどを確認する方法。医師によっては痛みの程度に差がでる場合もある。
代理母出産
不妊治療には様々な方法がありますが、子宮に問題があったり、何らかの理由があって出産できない女性が子どもをもつには代理母出産しか方法がありません。
代理母出産は不妊治療を必要としない夫婦の自然妊娠・出産率が20%ほどなのに対し、代理母出産での妊娠成功率は一回の胚移植に対して50~60%と高い成功率を収めているというデータもあります。
また、日本では代理母出産は不妊治療とは認められていないですが、代理母出産の先進国であるアメリカなどでは不妊治療の一環ととらえられており、年間2,000人以上の赤ちゃんが誕生しています。
そういった観点からも「子供を得る」という点で、代理母の子宮を借りる代理母出産は非常に高い効果があります。
もしあなたが不妊治療を進めていくうえで次のステップを考える段階にきたとき、第三者の力を借りながら代理母出産のプロセスに参加するということも一つの方法です。
もし、代理母出産をご検討でしたら、一度ぜひ私たちにご相談ください。
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