2025-02-25

代理出産は違法・合法?国別の違いや日本国内での状況を徹底解説

代理出産は違法・合法?国別の違いや日本国内での状況を徹底解説

代理出産は国によって法律や扱いが異なり、全面的に合法な国もあれば、条件付きで認められる国や、厳しく違法とされる国もあります。

日本では法的には禁止されていないものの、医療機関での実施は制限されており、海外での代理出産が選択肢となります。

本記事では、代理出産の国別の法的状況を解説し、日本人カップルが海外で代理出産を行う方法や必要な手続きについて詳しく紹介します。

 

【国別】代理出産の違法・合法さまざまなケース

代理出産の合法・違法は国によって大きく異なります。ここでは、各国の代理出産に関する法制度を以下の4つのケースに分類して解説します。

 

  • ケース①全ての代理出産が合法
  • ケース②代理出産が条件付きで合法
  • ケース③代理出産を禁止しているが刑罰は無い
  • ケース④代理出産は違法であり刑罰がある

 

それぞれ、詳しく見ていきましょう。

 

ケース①全ての代理出産が合法

代理出産を全面的に合法としている国では、依頼主が報酬を支払う「商業的代理出産」も認められており、外国人が利用することも可能な場合があります。代表的な国には、アメリカ(一部の州)、ロシア、ウクライナ、ジョージアなどが挙げられます。

 

特にアメリカでは州ごとに法制度が異なりますが、カリフォルニア州やネバダ州、コロラド州では商業代理出産が合法で、法律上の手続きが整備されています。ウクライナやジョージアでは、外国人でも代理出産を利用できるため、海外から多くの依頼者が訪れています。これらの国では代理母と依頼者の権利が法律で明確に規定されているため、比較的トラブルが少なく、手続きが円滑に進められるのが特徴です。

 

代理出産が合法であり、外国人の利用も認められている国について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

商業的代理出産を認めている国一覧。安全な代理出産を行える国とは

 

ケース②代理出産が条件付きで合法

一部の国では、代理出産が合法ではあるものの、特定の条件を満たす必要があります。

例えば、イギリス、オーストラリア、インドなどでは「営利目的でない代理出産(非営利代理出産)」のみが認められています。

これらの国では、代理母が経済的な利益を得ることは禁止されており、医療費や生活費など合理的な範囲の補償のみが認められています。国によっては出生後に裁判所の許可を得る必要があったり、同じ国でもエリアごとに規制が異なったりと複雑です。条件付きでの代理出産を認める国では、倫理的な配慮がなされている一方で、手続きやルールが複雑になりやすいのが特徴です。

 

ケース③代理出産を禁止しているが刑罰は無い

代理出産が禁止されているものの、違反した場合の刑罰がない国もあります。代表的な国は日本、ルーマニアなどです。

 

日本では、厚生労働省や日本産科婦人科学会のガイドラインにより代理出産が禁止されていますが、法的な罰則はなく、医師の倫理規定の範囲で制限されています。そのため、代理出産を希望する日本人夫婦が海外で代理母を依頼するケースが増えています。

ルーマニアも、一般法で利用が抑制されており「事実上不可能」となっていますが、法的にはグレーゾーンという扱いです。

ただし、海外で代理出産を行った場合に、出生証明や国籍取得の手続きが複雑になるケースがあるため、慎重な対応が求められます。

 

ケース④代理出産は違法であり刑罰がある

一部の国では代理出産そのものが違法であり、違反した場合には罰則が科される国もあります。代表的な国にはイタリア、ドイツ、オーストリアなどがあります。

これらの国では、代理出産を行った場合に罰金や懲役刑が科される可能性があります。代理出産が認められている国へ渡航して行うケースも処罰の対象となるため、不妊に悩みつつも遺伝的な繋がりを求めるカップルにとって厳しい環境となっています。

 

このように、代理出産の扱いは国ごとに大きく異なり、希望する場合は法的なリスクを十分に理解した上で対応することが求められます。

 

日本での代理出産は「違法」になる?

日本では代理出産を希望する人が増えている一方で、その法的な位置づけは曖昧なままとなっています。結論から言うと、日本では代理出産は「違法ではない」ものの、日本産科婦人科学会のガイドラインにより医療機関での実施が禁止されています。そのため、日本国内で代理出産を行うことは極めて困難であり、多くの日本人夫婦が海外で代理出産を行うケースが増えています。

また、日本の法律では「出産した女性が母親」とみなされるため、海外で代理出産を行った場合でも、日本で子どもの親権を取得するには特別養子縁組などの手続きが必要となることがあります。ここでは、日本における代理出産の禁止理由と、違法とされる国との違いについて詳しく解説します。

 

日本における代理出産の状況については、以下の記事で詳しく紹介しています。

不妊に悩む夫婦へ。代理母出産の実態と日本での選択

 

違法ではないが禁止されている理由

日本で代理出産が法律で明確に禁止されているわけではないにもかかわらず、医療機関が代理出産を行わない理由は主に以下の3つです。

  1. 日本産科婦人科学会のガイドライン
    日本産科婦人科学会は、代理出産を「生命倫理上の問題がある」として禁止しています。そのため、日本国内の医療機関では代理出産の実施が認められておらず、実質的に禁止されている状況です。医療機関がガイドラインに従わなかった場合、学会からの制裁を受ける可能性があります。
  2. 親子関係の法的問題
    日本の法律では「出産した女性が母親」とみなされるため、代理母が出産した子どもを依頼者(意図した親)の子どもとして認める制度が整っていません。結果として、日本国内で代理母が出産した子どもの親権を取得するには、養子縁組などの特別な手続きが必要になります。ただし、商業的代理出産が合法の国で代理出産を行い、現地で正しい手続きを実施すれば日本に帰国した際にもスムーズに実子として迎えられます。
  3. 倫理的・社会的な懸念
    代理出産には、代理母の身体的・精神的負担や、子どもの福祉に関する懸念があります。特に商業的代理出産の場合、経済的に困窮した女性が代理母となるケースがあり、搾取のリスクが指摘されています。こうした倫理的な問題から、日本では代理出産の合法化に慎重な意見が多いのが現状です。

このような背景から、日本では代理出産を実施できない状況が続いており、多くの夫婦が海外で代理出産を選択しています。

 

商業的代理出産が違法であっても希望する場合の手段

商業的代理出産が違法であっても希望する場合の手段

商業的代理出産が違法とされている国では、報酬を支払って代理母を依頼することはできません。しかし、代理出産を希望する夫婦にとっては、なんらかの手段で子どもを授かる方法を模索したいと考えることもあります。そうした場合、無報酬(ボランティア)で代理母を探す方法や、報酬ではなく「補償金」として金銭を渡す方法が考えられます。これらの方法には、それぞれ法的・倫理的なリスクが伴うため、慎重に対応する必要があります。

 

無報酬(ボランティア)での代理母を探す

商業的代理出産が違法な国でも、ボランティア(非営利)での代理出産は認められている場合があります。この場合、代理母は経済的な対価を受け取らず、善意で妊娠・出産を引き受けることになります。

例えば、イギリスやカナダ、オーストラリアなどでは商業的代理出産は禁止されているものの、本人の意思による非営利の代理出産は合法とされています。そのため、友人や親族の中から代理母となる人を見つけることができれば、法的に問題なく代理出産を実施できる可能性があります。

しかし、ボランティアで代理母を引き受けてくれる人を探すのは非常に難しく、心理的・身体的な負担も大きいため、実現は簡単ではありません。

 

代理母に対して無報酬で代理出産を依頼する方法については、以下の記事で詳しく解説しています。

『代理出産はボランティアで依頼できる?無報酬で実施する上での課題とは』

 

報酬ではなく「補償金」といった形で金銭を渡す

代理出産を希望する夫婦が、直接の報酬としてではなく、医療費や生活費の「補償金」として金銭を渡すことで、合法的に代理出産を行うケースもあります。

例えば、カナダやイギリスでは、代理母が妊娠・出産にかかる費用の実費を受け取ることは認められています。これには以下のような費用が含まれることが多いです。

  • 妊娠・出産にかかる医療費
  • 妊娠期間中の生活費
  • 仕事を休んだ場合の損失補填
  • 代理出産に伴う心理的負担に対する補助

これらは「報酬」とはみなされず、「妊娠・出産に伴う合理的な補償」と解釈されるため、合法的に代理母へ金銭を支払うことが可能になります。

 

日本人カップルが代理出産を実施する方法

日本人カップルが代理出産を実施する方法

日本国内では代理出産が事実上禁止されているため、日本人カップルが代理出産を希望する場合、海外での実施が一般的な選択肢となります。海外で代理出産を行う方法は以下の通りです。

 

  1. 専用のエージェントに相談する
  2. 商業的代理出産が可能な国に渡航する
  3. 生まれた赤ちゃんの戸籍などを取得する
  4. 帰国し、実子として育てる

 

それぞれのステップごとに、詳しく解説します。

 

1.専用のエージェントに相談する

海外で代理出産を実施する際、多くのカップルが代理出産をサポートする専門のエージェントを利用します。エージェントは、代理出産を実施する国の法律に精通しており、医療機関との良好な関係も構築しているため、安全に代理出産を進めるための橋渡しを行います。

 

代理出産を取り扱うエージェントの主な役割には、以下のようなものがあります。

 

  • 代理母の選定・マッチング
  • 現地の医療機関との連携
  • 法的手続きのサポート
  • 通訳・渡航サポート

 

ただし、代理出産エージェントの中には不透明な運営をしているところもあるため、信頼できる機関を選ぶことが重要です。事前に口コミや実績を調査し、契約内容をしっかり確認することが必要です。

 

海外での代理出産をサポートするエージェントについては、以下の記事で詳しく解説しています。

代理出産エージェントとは?選び方から費用・事例まで詳しく解説

2.商業的代理出産が可能な国に渡航する

渡航前には、現地の医療機関との契約を済ませ、代理母との合意書を作成する必要があります。エージェントに依頼すれば、これらの書類作成や契約も代行してもらえます。

渡航後は、代理母の健康状態を確認しながら、医療機関からの報告を受けます。代理出産を実施する国によっては、一定期間の滞在が必要になるため、エージェントによるサポートが必須です。渡航時の医療機関との面談などでは、通訳として同席してもらえます。

 

3.生まれた赤ちゃんの戸籍などを取得する

赤ちゃんが誕生した後、日本で正式に親子関係を確立するための手続きを進める必要があります。ウクライナやジョージアなどでは商業的代理出産が認められているため、代理出産であっても実子としての出生証明書が発行できます。

これらの手続きには法律に関する知識が求められるため、弁護士が在籍しているエージェントを選ぶと安心です。

 

4.帰国し、実子として育てる

戸籍や親子関係の手続きを完了した後、赤ちゃんとともに日本へ帰国し、実子として育てることになります。日本では海外の代理出産で生まれた赤ちゃんを実子として育てることは問題ないため、実際に多くの夫婦が代理出産で我が子を授かっています。

 

代理出産を通じて家族を築くには、法的な手続きだけでなく、親になるための心の準備も必要です。代理出産を実施する前に、あらゆるリスクを理解し、十分な準備を整えることで、安心して新しい生活をスタートできるでしょう。

 

代理出産を行う上での注意点

代理出産は、法律や倫理、医療面など多くの要素が絡む複雑なプロセスです。

希望する国によって法的な扱いが異なるだけでなく、代理母の健康や出産後の親子関係の確立など、慎重に進めるべき点が多く存在します。特に、海外での代理出産を選択する場合は、信頼できるエージェントや医療機関の選定、法的リスクの確認が重要となります。

ここでは、安全に代理出産を進めるための注意点について解説します。

安全な代理出産にはエージェント選びが重要

海外で代理出産を行う場合、多くのカップルが代理出産専門のエージェントを利用します。エージェントは、代理母のマッチング、契約手続き、医療機関との調整、法的手続きの支援などを行い、スムーズに代理出産を進める役割を果たします。しかし、エージェントの質によっては、トラブルが発生する可能性もあるため、以下のポイントを踏まえて慎重に選ぶことが重要です。


  • 実績や評判を確認する

代理出産の支援実績が豊富で、過去の利用者からの評判が良いエージェントを選ぶことが大切です。公式サイトの情報だけでなく、口コミや第三者のレビューなどもチェックし、信頼できるかを判断しましょう。


  • 現地の法律に精通しているか

国ごとに代理出産に関する法律は異なり、適切な手続きを踏まないと子どもの国籍取得や親子関係の確立が難しくなる場合があります。現地の法律に詳しいエージェントを選び、適切な法的サポートを受けることが重要です。


  • 医療機関との提携がしっかりしているか

代理母の健康管理や出産の安全性を確保するために、信頼できる医療機関と提携しているエージェントを選びましょう。施設の設備や医療スタッフの質を事前に確認し、安全な出産環境が整っているかをチェックすることが大切です。


  • 契約内容が明確であるか

エージェントとの契約内容をしっかり確認し、曖昧な点がないかをチェックしましょう。代理母の選定や出産後の手続き、費用の詳細など、すべての条件を明文化した契約書を交わすことが不可欠です。


  • 費用が適正か

代理出産には高額な費用がかかりますが、エージェントによっては不透明な追加費用が発生することがあります。契約前に総費用の内訳を明確にし、想定外の出費が発生しないように注意しましょう。

 

代理出産エージェントなら「Baby For You」

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海外での代理出産を安心してお任せできる仲介業者をお探しなら、ぜひ「Baby For You」にご相談ください。

Baby For Youでは、これまでに多くの日本人ご夫婦へ赤ちゃんをお届けしてきました。会社組織として海外の医療機関と信頼関係を築き、弁護士も在籍している、実績のある代理出産エージェントです。

 

代理出産プログラムのほか、卵子提供プログラム、精子提供プログラム、着床前診断・男女産み分けプログラムを提供しています。

Baby For Youはウクライナやジョージア、カザフスタンの医療機関と提携し、安心・安全な代理出産を行っています。

厳しい審査による健康な代理母の選定や、海外現地でのサポート、日本国籍を取得するための手続きなど、さまざまな面から依頼者さまをサポートいたします。

 

まとめ

代理出産の合法性は国によって異なり、全面的に認められている国もあれば、条件付きで合法な国、禁止されているが刑罰がない国、厳しく違法とされている国が存在します。日本では法律上は禁止されていませんが、医療機関での実施は制限されているため、海外での代理出産が一般的です。日本人カップルが代理出産を実施するには、信頼できるエージェントに相談し、適切な国を選び、法的手続きを経て子どもを迎える必要があります。慎重な準備と情報収集が不可欠です。

 

海外での代理出産を検討される場合は、「Baby For You」にぜひご相談ください。

 

※本記事の内容は、2025年2月時点の情報に基づいて作成しています。今後、ルールや法律の変更により内容が事実と異なる場合もありますので、ご了承ください。

 

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