2025-10-20
メキシコで代理出産はできる?法律や注意点・安全な方法を解説
メキシコはかつて、海外で代理出産を希望するカップルから注目を集めた国のひとつです。費用が比較的安く、医療水準も高いことから、多くの外国人が訪れました。
しかし現在では、法律の変更により外国人による代理出産が制限され、リスクの高い地域とされています。
本記事では、メキシコにおける代理出産の法制度や過去の経緯、外国人が直面するトラブル事例をわかりやすく解説します。さらに、安全に代理出産を行いたい日本人夫婦に向けて、法的に整備された国とエージェント活用のポイントも紹介します。
メキシコでの代理出産の状況
メキシコはかつて、不妊症に悩む夫婦や同性カップルにとって「代理出産がしやすい国」として注目されていました。しかし現在では、法律の改正や規制強化の影響を受け、日本人夫婦にとって代理出産が困難な国となっています。
かつて合法とされていたタバスコ州でも、2016年以降は外国人による代理出産が原則として禁止されており、実施できるケースは非常に限定的になっているのです。そのため、メキシコでの代理出産は現在、法的リスクやトラブルの可能性が高く、慎重な判断が求められます。
メキシコでの代理出産の状況について、次から詳しく紹介します。
州法によって管理されている
メキシコでは代理出産に関する法制度が州ごとに異なります。国としての明確な規定がないため、代理出産を合法とするか、禁止または制限するかは各州の民法によって定められています。
このため、同じ国内でも州によって手続きの可否や条件が大きく異なります。依頼者が外国人の場合、出産後の出生登録や国籍取得などの法的手続きが複雑になるケースも少なくありません。
代理出産が合法とされていた唯一の州「タバスコ州」
タバスコ州は、かつてメキシコで唯一代理出産を合法と認めていた州でした。
1997年の民法改正によって、異性愛カップルだけでなく外国人や同性カップルの依頼も受け入れており、海外からの依頼が急増しました。そのため、一時期は国際的な代理出産の拠点として注目されていました。
しかし、利用者の増加に伴い、法的トラブルや倫理的な課題が指摘されるようになったことから、州政府は制度の見直しに踏み切ることになります。
2016年に代理出産の禁止条件が規定
2016年、タバスコ州は民法を改正し、外国人依頼者・同性カップル・未婚者による代理出産を禁止しました。また、営利目的の仲介業者が介在する代理出産も違法とされ、事実上、外国人が利用できない制度となりました。
この変更により、メキシコ国内で合法的に代理出産を行えるケースはほとんどなくなっています。なお、2021年には連邦最高裁が一部の制限を「差別的」として違憲判断を下しましたが、実際の運用は州ごとにばらつきがあり、依然として外国人が安全に代理出産を行うことは難しいのが現状です。
一方で、外国人夫婦による商業的代理出産を認めており、日本人夫婦でも安心して渡航できる国も存在します。詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
商業的代理出産を認めている国一覧。安全な代理出産を行える国とは
メキシコが代理出産の渡航先として選ばれる理由
法的なリスクがあるにもかかわらず、メキシコはかつて代理出産の目的地として多くの海外依頼者から注目を集めました。
その背景には、医療水準やコスト、立地の利便性など、複数の要因が関係しています。とくにアメリカやヨーロッパ圏からのアクセスが良く、比較的手頃な費用で体外受精や出産に関わる医療を受けられる点が魅力とされてきました。
メキシコが代理出産の渡航先として選ばれる理由を、詳しく解説します。
「メディカル・ツーリズム」としての需要
メキシコでは、医療サービスを目的に他国からの旅行者が訪れる「メディカル・ツーリズム(医療観光)」が盛んです。美容整形や歯科治療、再生医療に加え、生殖医療もその一部として注目を集めてきました。
特に南西部に暮らすアメリカ人にとってメキシコは車でも渡航できる国であり、質の高い医療技術を受けられることから、メディカル・ツーリズムの行き先として人気を博しました。代理出産もその流れの中で広がりを見せましたが、先述の法改正によって縮小しています。
アメリカやヨーロッパよりも安価
メキシコの医療費や代理出産費用は、アメリカや西ヨーロッパと比べて大幅に安価です。
アメリカでは代理出産にかかる総費用が2000万円以上になることもありますが、メキシコではその半額以下で依頼できるケースもありました。
この費用の差が、海外在住の依頼者にとって大きな魅力となっていたのです。ただし、低コストであっても契約の透明性や法的保証が不十分なケースが多く、安全性が高いとは言えない国であることは事実です。
日本人夫婦がメキシコで代理出産を実施するのが困難な理由

かつてメキシコは、比較的費用を抑えて代理出産を行える国として注目されていました。しかし、現在では法律や契約の不透明さから、外国人夫婦が安全に代理出産を行うことは非常に難しくなっています。
特に日本人夫婦の場合、法的な親子関係の確立や出生証明の取得が複雑で、トラブルに発展するケースも少なくありません。
ここでは、その主な理由を3つの観点から解説します。
- 代理出産に関する統一された法律が存在しない
- グレーな契約を行う医療機関が多い
- 外国人カップルによる代理出産でトラブルが多い
代理出産に関する統一された法律が存在しない
冒頭で紹介した通り、メキシコでは、代理出産を規定する全国統一の法律が存在しません。
制度の運用は州ごとに異なり、一部の州では明確な規定がないまま実施されているのが実情です。
そのため、同じ国内でも合法とされる地域と違法とみなされる地域が混在しています。結果として、外国人がどの州で安全に代理出産を行えるのかが不明確であり、依頼者にとって法的リスクが高くなっています。
グレーな契約を行う医療機関が多い
法整備が不十分なことから、メキシコ国内には法的にグレーゾーンな契約を扱う医療機関や仲介業者も存在します。これらの機関では、外国人への代理出産を表向きは制限しながらも、非公式に受け入れている場合があるため、契約内容の正当性が保証されません。
「安価だから」といった理由で、安全に代理出産ができない国で実施してしまうと、出生後に親権を主張できなくなるなど、法的トラブルに発展するリスクもあります。
外国人カップルによる代理出産でトラブルが多い
メキシコは、外国人カップルによる代理出産におけるトラブルが多発しやすい国でもあります。
トラブルの例として、
- 出生証明書に親の名前が記載されず、子どもが無国籍状態になる
- 代理母と親権を巡って紛争になり、裁判沙汰になる
- 代理母に正式な報酬が支払われず、不当な扱いを受ける
などがあります。
こうした問題を踏まえて、2016年に複数の州で外国人の代理出産を制限することとなりました。そのため、日本人夫婦がメキシコで安全に代理出産を行うのは、現状では極めて難しいといえます。
海外での代理出産で実際に発生したトラブルについては、以下の記事で詳しく紹介しています。
代理出産で起こりうるトラブルとは?トラブルを避ける方法と事例を紹介
日本人夫婦の代理出産が認められている国は?
メキシコのように法制度が不安定な国では、外国人による代理出産はトラブルを招くおそれがあります。
一方で、法的に整備され、日本人夫婦が安全に代理出産を行える国も存在します。特に、ジョージア・カザフスタン・ウクライナの3か国は、外国人の依頼を受け入れており、医療水準や法的サポート体制が整っている点が特徴です。
以下では、それぞれの国の制度や特徴を紹介します。
ジョージア
ジョージアは、代理出産を法律で明確に認めている国のひとつです。
対象は「既婚の男女カップル」に限定されており、同性カップルや未婚者は利用できません。出生証明書には依頼夫婦の名前が記載され、出産直後から法的な親として認められる仕組みが整っています。
代理母が報酬を受け取る「商業的代理出産」を国として認めているため、日本人夫婦も安心して利用することができます。
ジョージアについては、以下の記事でも詳しく紹介しています。
ジョージアはどんな国?海外代理出産の渡航先としても人気の理由とは
カザフスタン
カザフスタンでも、代理出産は国の法律で認められています。
対象となるのは医学的に妊娠・出産が困難と診断された既婚カップルで、外国人も条件を満たせば利用可能です。
医療技術の水準も高く、体外受精や胚移植に関する成功率も安定しています。
カザフスタンについては、以下の記事でも詳しく紹介しています。
カザフスタンはどんな国?代理出産のための渡航の際に知っておきたいポイント
ウクライナ
ウクライナは、長年にわたり国際的な代理出産を受け入れてきた実績のある国です。
法律で代理出産が明確に認められており、依頼夫婦は出産後すぐに赤ちゃんの正式な親として登録されます。対象は異性の既婚カップルに限られますが、外国人でも法的な保護を受けながら手続きを進めることが可能です。
紛争下では一部地域で制限があるものの、代理出産プログラムを継続している医療機関もあり、国際的なサポート体制が整っています。
ウクライナについては、以下の記事でも詳しく紹介しています。
ウクライナはどんな国?代理出産の渡航先としても人気の国を徹底解説
海外で安全に代理出産をするにはエージェントを活用

海外で代理出産を行う場合、国ごとに法律や医療制度、手続きが異なるため、個人で全てを進めるのは非常に困難です。安全かつ確実に手続きを進めるためには、専門知識と実績を持つ代理出産エージェントを活用することが重要です。
エージェントは、依頼夫婦・代理母・医療機関・弁護士の間に立ち、契約、スケジュール、法的手続きを一括でサポートします。特に外国人にとっては、現地での出生証明の取得や帰国手続きなど、専門的な対応が欠かせません。
信頼できるエージェントを選べば、言語の壁や法律の違いによるリスクを最小限に抑え、安心して代理出産を進めることができます。
信頼できるエージェントの見分け方
代理出産エージェントを選ぶ際は、「料金が安い」「対応が早い」といった表面的な条件だけで判断するのは危険です。重要なのは、実績・透明性・法的サポート体制の3点です。日本人夫婦に対応した経験があるか、契約内容が明確か、現地の法律や行政手続きまでサポートできるかを確認しましょう。
以下では、信頼できるエージェントを見分けるための具体的なポイントを紹介します。
日本人夫婦へのサービス実績があるか
日本人の利用実績があるエージェントは、文化や言語の違いを理解しており、初めての依頼でもスムーズに対応してくれます。個人ではなく法人格を持ち、日本語でのサポート体制が整っていれば、現地医療機関とのやり取りや契約書の確認も安心です。
過去の利用者の体験談や口コミ、公式サイトに掲載されている実績を確認し、信頼性を見極めましょう。
契約や見積もり内容が明確か
優良なエージェントは、契約書の内容・費用の内訳・返金ポリシーなどを明確に提示します。
費用には、医療費・代理母への報酬・法的手続き費用などが含まれますが、不透明な追加料金が発生しないかを必ず確認しましょう。
「総額が安い」と思って契約したものの、後から高額な追加費用を請求されるケースもあるため注意が必要です。
法的手続き・現地でのペーパーワークもお任せできるか
出生証明書の発行や親権の登録、帰国手続きなどは国ごとに異なり、専門的な知識が求められます。信頼できるエージェントは、こうした法的サポートや行政手続きを代行または同行支援してくれるのが特徴です。
とくに外国人依頼者にとっては、これらのサポートが安心して出産・帰国を迎えるうえで欠かせません。弁護士と連携しているかどうかも、判断のポイントになります。
実績のある代理出産エージェント「Baby For You」

海外での代理出産を安心してお任せできる仲介業者をお探しなら、ぜひ「Baby For You」にご相談ください。
Baby For Youでは、これまでに多くの日本人ご夫婦へ赤ちゃんをお届けしてきました。会社組織として海外の医療機関と信頼関係を築き、弁護士も在籍している、実績のある代理出産エージェントです。
代理出産プログラムのほか、卵子提供プログラム、精子提供プログラム、着床前診断・男女産み分けプログラムを提供しています。
Baby For Youはウクライナやジョージア、カザフスタンの医療機関と提携し、安心・安全な代理出産を行っています。
厳しい審査による健康な代理母の選定や、海外現地でのサポート、日本国籍を取得するための手続きなど、さまざまな面から依頼者さまをサポートいたします。
まとめ
メキシコでは、かつて代理出産が盛んに行われていましたが、現在は外国人や同性カップルによる依頼が法律で制限され、安全に実施することはほぼ不可能です。統一された法制度がないため、グレーな契約やトラブルも多く報告されています。日本人夫婦が安心して代理出産を行うには、制度が整ったジョージア・カザフスタン・ウクライナなどの国を選び、信頼できる代理出産エージェントのサポートを受けることが重要です。
法的手続きや現地支援を任せられる専門機関を通じて、安全で確実な代理出産を実現しましょう。
※本記事の内容は、2025年10月時点の情報に基づいて作成しています。今後、ルールや法律の変更により内容が事実と異なる場合もありますので、ご了承ください。
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