2026-01-13
受精卵を海外に移送する方法とは?必要な情報や流れを詳しく紹介
日本で凍結保存している受精卵や卵子・精子を使い、海外で不妊治療や代理出産を検討する夫婦が増えています。その一方で、「海外へはどうやって移送されるのか」「本当に安全なのか」「何に注意すべきなのか」といった疑問や不安を感じる方も少なくありません。
受精卵や卵子・精子といった生体は、一般的な荷物とは異なり、特殊な運搬道具を使ってプロフェッショナルによって移送されます。
本記事では、受精卵や精子を海外に移送する方法や流れ、注意点、業者選びのポイントまでわかりやすく解説します。海外での体外受精や代理出産を検討している方はぜひ参考にしてください。
凍結した受精卵などを海外に移送するケース
日本で凍結保存している受精卵や卵子・精子は、一定の条件を満たせば海外の医療機関へ移送することが可能です。
実際には、治療内容や家族の事情、法制度の違いなどを背景に、海外での治療を選択するケースが見られます。
凍結した受精卵などを海外に移送する代表的なケースとして、以下が挙げられます。
- 海外のクリニックで体外受精を実施する
- 海外のクリニックで着床前診断を実施する
- 海外のクリニックで代理出産を行う
- 不妊治療の途中で海外へ引越しをする
それぞれ、詳しくみていきましょう。
海外のクリニックで体外受精を実施する
日本では年齢制限や治療方針の関係で選択肢が限られる場合、海外のクリニックで体外受精を続けたいと考える人もいます。この場合、日本で採取・凍結した卵子や精子、受精卵を海外へ移送すれば、現地の医療機関で治療を再開することができます。
移送には専門業者が関わり、超低温の状態を保ったまま運ばれます。事前に日本側・海外側のクリニック双方と連携を取ることが重要です。
体外受精のプロセスや詳細については以下の記事で詳しく紹介しています。
体外受精(IVF)とは?治療の流れ・費用・期間をわかりやすく解説
海外のクリニックで着床前診断を実施する
着床前診断とは、受精卵を子宮に戻す前に、胎児の健康リスクを確認する検査ですが、日本では実施条件が限られています。そのため、検査が可能な海外のクリニックを選び、日本で凍結した受精卵を移送するケースがあります。
着床前診断では、胎児の健康リスクだけではなく、受精卵の性別を判別することもできます。ただし、日本国内では倫理的な観点から着床前診断での産み分け実施が認められていません。
そのため、男女の産み分けを希望する人は海外のクリニックに受精卵を移送し、着床前診断で性別判断を実施するケースも増えています。
移送後は、海外の医療機関で検査を行い、その結果をもとに治療方針を決めます。国によって検査の考え方やルールが異なるため、事前確認が欠かせません。
着床前診断については、以下の記事で詳しく紹介しています。
海外のクリニックで代理出産を行う
日本では代理出産が認められていないため、海外での実施を検討する夫婦もいます。この場合、日本で作成・凍結した受精卵を、代理出産が法的に認められている国へ移送し、現地の医療機関で治療を進める流れとなります。
医療面だけでなく、法律や出生後の手続きも関係するため、移送は専門業者や支援機関と連携しながら慎重に進める必要があります。
代理出産について詳しく知りたい方は、以下の記事も合わせてご覧ください。
代理出産とは?日本で禁止の理由や成功事例、費用までわかりやすく解説
不妊治療の途中で海外へ引越しをする
仕事や家族の事情で海外へ引越しすることになり、不妊治療を現地で継続したいというケースもあります。日本のクリニックで凍結している受精卵などを海外へ移送すれば、治療の中断を最小限に抑えられます。
移送のタイミングや必要書類は国や医療機関によって異なるため、引越しが決まった段階で早めに相談を始めることが大切です。
受精卵を海外に移送する方法

凍結した受精卵を海外へ移送する場合、個人で対応することはできず、必ず専門の移送業者に依頼します。
受精卵は超低温での管理が必要なため、医療機関と連携しながら、温度管理・輸送手段・通関手続きを一括で行う体制が求められます。業者は日本側と海外側のクリニックをつなぐ窓口となり、書類準備や日程調整も担います。
安全性と実績のある業者選びが、移送成功の重要なポイントです。
まずは、受精卵などの生体を海外に移送するために使われる容器「ドライシッパー」について紹介します。
ドライシッパーとは
ドライシッパーとは、液体窒素を内部に吸着させた専用容器で、凍結した受精卵や卵子・精子を超低温のまま保管・輸送できる装置です。
外部に液体が漏れない構造のため、航空機での輸送にも対応しています。内部は長時間一定の温度が保たれる設計になっており、移送中も品質を維持しやすい点が特徴です。海外移送では、このドライシッパーの使用がほぼ必須となります。
安全に移送するシステム
受精卵の移送方法はサービスによって異なり、担当者が直接持ち運ぶハンドキャリーや、航空便による輸送が選ばれます。
いずれの場合も、温度管理を常に監視する仕組みが整えられています。また、空港の保安検査で行われるX線検査による影響を避けるため、事前申請や検査回避の手続きが取られるのが一般的です。こうした安全対策の有無は、業者選びの重要な判断材料になります。
受精卵を海外に移送する流れ
受精卵を海外のクリニックへ移送するには、専門の移送業者に依頼するのが基本です。一般的な流れは次の通りです。
- 問い合わせ
まずは問い合わせフォームなどから依頼内容を伝え、どの国のどのクリニックへ移送するのか、凍結している検体の種類や数を知らせて見積もりをもらいます。
- 契約
見積もり内容に納得したら契約し、書類作成や日程調整を進めてもらいます。
- 移送開始
移送日が決まると、業者がクリニックからドライシッパーで受精卵を引き取り、飛行機や他の輸送手段で目的地へ運びます。
- 移送完了
移送先のクリニック到着後、受け取り連絡が来て手続き完了です。
国際移送の場合、通関や提出書類の作成なども業者が代行することが一般的で、全体では数週間ほどかかることがあります。
海外への生体移送にかかる費用
受精卵を海外へ移送する費用は、距離や輸送方法、サービス内容によって大きく変わります。
一般的な国際輸送では、航空運送や書類手続き・専用容器の利用が含まれ、40万円〜70万円以上になることがあります。
上記の費用はあくまで目安であり、海外輸送の費用が国やプランによって異なるため、具体的な見積もりは依頼先の業者に確認が必要です。また、一般的な貨物輸送と同様に短距離より長距離・特急対応の方が高くなる傾向にあります。
また、クリニックの方針によっては院外への持ち出し手数料を求められる場合もあるため、事前に確認しておきましょう。
海外に受精卵・精子を移送する場合の注意点
受精卵や精子を海外へ移送する際は、「海外に送れる」という点だけで判断せず、サービス内容や法的な扱いまで含めて慎重に確認する必要があります。国内移送とは異なるリスクや制約があるため、以下のような注意点を事前に把握しておくことが、トラブルを防ぐ重要なポイントになります。
- 全ての移送サービスが海外対応ではない
- 海外への生体のハンドキャリーは法的なリスクがある
- 国によって必要な情報が異なる
全ての移送サービスが海外対応ではない
生体移送を行う業者の中には、国内の医療機関間のみ対応しており、海外移送には対応していないケースがあります。
見た目は同じ「移送サービス」でも、国際輸送に必要な書類手続きや通関対応の体制が整っていない場合もあります。海外移送を前提とする場合は、対応実績の有無や移送可能な国を必ず事前に確認することが大切です。
海外への生体のハンドキャリーは法的なリスクがある
担当者が直接持ち運ぶハンドキャリーは安全性が高い方法として紹介されることがありますが、国境を越える場合には注意が必要です。国によっては、生体の持ち込みに厳しい規制があり、適切な許可や書類がないとトラブルになる可能性があります。
安全のためと称してハンドキャリーを推奨する業者に依頼する場合は、法令関係のチェックを徹底するようにしましょう。
国によって必要な情報が異なる
受精卵や精子の受け入れ条件は国ごとに異なり、求められる書類や情報もさまざまです。たとえば、治療経緯の証明書や同意書、感染症に関する情報などが必要になることがあります。
日本では不要な書類でも、移送先の国では必須となる場合があるため、移送前に業者を通じて詳細を確認し、余裕をもって準備することが重要です。
検査や証明が不十分だとどうなる?
意外と見落とされがちなのが、海外の受け入れ先の病院が求める「検査結果や証明書類」の厳しさです。日本の病院では、B型肝炎・C型肝炎・梅毒・HIVといった感染症検査を行わずに採精・採卵が実施されるケースや、初回のみ検査して以降は再検査をしないケースもあります。
しかし海外では、検査時期や検査項目が細かく指定されていることが多く、不十分な検査や証明では受精卵や精子の受け取り自体を拒否される可能性があります。移送前に「どの検査を、いつ実施した証明が必要か」を必ず確認することが重要です。
受精卵や精子を安全に移送するためのポイント

受精卵や精子の海外移送は、医療・物流・法制度が関わる繊細な手続きです。万が一のトラブルは治療計画そのものに影響するため、「安さ」や「手軽さ」だけで判断せず、安心して任せられる体制かどうかを見極めることが重要です。
ここでは、安全な移送につなげるための具体的なポイントを整理します。
業者を慎重に選定する
海外への生体移送は、高度な温度管理だけでなく、国際輸送や医療機関との調整、書類手続きまで含めた専門性が求められます。業者によって対応範囲は大きく異なり、国内移送のみを想定したサービスも少なくありません。海外移送に対応しているか、どこまでサポートしてくれるのかを事前に確認することが重要です。
また、質問に対して具体的で分かりやすい説明があるかどうかも、信頼性を見極める判断材料になります。
実績の有無を確認する
安全な移送を実現するうえで、過去の実績は非常に重要です。
これまでにどの国や地域へ移送した経験があるのか、どのような医療機関と連携しているのかを確認することで、対応力のレベルが見えてきます。実績が豊富な業者ほど、国ごとのルールや想定外のトラブルにも慣れており、柔軟な対応が期待できます。実績の具体例を提示してもらえるかどうかも確認しておくと安心です。
口コミやブログの体験談を参考にする
公式サイトの情報だけでは分からない点を補うために、実際に移送を経験した人の口コミやブログの体験談を参考にするのも有効です。
業者の対応の丁寧さや、想定より時間がかかった点、事前に知っておきたかった注意点など、リアルな声から得られる情報は多くあります。ただし個々の状況は異なるため、一つの意見に偏らず、複数の体験談を比較しながら判断することが大切です。
海外の代理出産なら「Baby For You」

赤ちゃんを授かるため、海外への生体移送などのプロセスでお悩みの場合は、プロフェッショナルに相談しましょう。
海外での代理出産を安心してお任せできる仲介業者をお探しなら、ぜひ「Baby For You」にご相談ください。
Baby For Youでは、これまでに多くの日本人ご夫婦へ赤ちゃんをお届けしてきました。会社組織として海外の医療機関と信頼関係を築き、弁護士も在籍している、実績のある代理出産エージェントです。
代理出産プログラムのほか、卵子提供プログラム、精子提供プログラム、着床前診断・男女産み分けプログラムを提供しています。
Baby For Youはウクライナやジョージア、カザフスタンの医療機関と提携し、安心・安全な代理出産を行っています。
厳しい審査による健康な代理母の選定や、海外現地でのサポート、日本国籍を取得するための手続きなど、さまざまな面から依頼者さまをサポートいたします。
まとめ
受精卵や精子を海外に移送するには、専用の移送業者に依頼し、超低温管理や書類手続きを含めて慎重に進める必要があります。ドライシッパーを使用した輸送や、国ごとに異なる受け入れ条件への対応が不可欠です。
特に注意したいのが、感染症検査やその証明が不十分な場合、海外の病院で受け取りを拒否される可能性がある点です。移送前に必要な情報を正確に確認し、実績のある業者を選ぶことが、安全でスムーズな移送につながります。正しい知識を持ったうえで、納得できる選択をすることが大切です。
※本記事の内容は、2026年1月時点の情報に基づいて作成しています。今後、ルールや法律の変更により内容が事実と異なる場合もありますので、ご了承ください。
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