2024-07-26

卵子ドナーとは?利用のメリット・デメリット、代理出産という選択肢を解説

卵子ドナーとは?利用のメリット・デメリット、代理出産という選択肢を解説

自然妊娠が難しいご夫婦にとって、卵子ドナーの活用は一つの選択肢となります。

卵子ドナーを選ぶ前に、知っておくべきメリットやデメリットを紹介します。また、安全な出産をするための「卵子ドナー+代理出産」という方法についても、詳しく解説します。

卵子ドナーとは?

卵子ドナーとは、不妊に悩む女性や高齢出産を希望する女性のために、自身の卵子を提供するドナーのことです。

ドナーから提供された卵子は、体外受精により受精卵となり、女性の子宮に移植されます。移植されるのは依頼人の女性であったり、代理母であったりします。

提供に際して、ドナーと赤ちゃんの間には法的な親子関係は発生せず、卵子提供の対価として報酬を得ることが一般的です。

卵子ドナーを利用するケース

卵子ドナーを利用するケースとして、以下の2パターンが挙げられます。

 

  • 不妊治療として
  • 高齢出産のため

 

それぞれのケースについて、詳しく解説いたします。

不妊治療として

女性の体内で卵子が作れない疾患がある、卵巣や子宮を摘出しているといった場合の不妊治療として、卵子ドナーが利用されています。女性側に不妊の原因があることが発覚した際に、卵子ドナーの活用は妊娠・出産につながる希望の一つとなります。

ただし、日本では卵子提供が認められていないため、実施するには海外のクリニックを利用する必要があります。

高齢出産のため

高齢になると、女性の卵子の数は減少し、自然妊娠が難しくなるケースが多くなります。こうした高齢女性が、健康な子どもを授かるために卵子ドナーを利用するケースがあります。

ただし、卵子ドナーを利用したとしても、高齢出産による母体へのリスクが無くなるわけではないことに留意が必要です。高齢であるほど、妊娠・出産にともなう母体へのリスクは高まるのです。

卵子ドナーのメリット

ドナーから提供された卵子を移植して妊娠・出産をすることによって、以下のようなメリットがあります。

 

  • 妊娠・出産の可能性が高まる
  • 遺伝的なつながりのある子どもを授かれる
  • 年齢を問わず健康な子どもを授かれる

 

各メリットを解説します。

妊娠・出産の可能性が高まる

高齢出産には明確な線引きはありませんが、一般的には35歳以上での妊娠・出産を「高齢出産」と呼びます。

先述の通り、高齢になることで卵子の数が減り、着床も難しくなる傾向にあります。このような状況でも自然妊娠を望むことはできますが、できるだけ早めに出産したいとお考えの場合は卵子ドナーを利用することで妊娠・出産の可能性が高まります。年齢は卵子の質にも影響を与えるので、若いドナーの卵子の方がスムーズな妊娠・出産が見込めるためです。

遺伝的なつながりのある子どもを授かれる

卵子ドナーと夫の精子を体外受精させることで、夫との遺伝的なつながりのある子どもを授かれるという点は大きなメリットです。例えば以下のようなケースが考えられます。

 

  • 妻に卵巣機能不全などの問題があり、自身の卵子が使えない場合

夫の精子と、ドナーの卵子を体外受精し、妻の子宮に胚移植する

遺伝的には夫の子どもとなる

 

また、夫に無精子症などの疾患が見つかった場合は、妻の卵子と精子ドナーを体外受精させることで妻との遺伝的なつながりがある子供を授かることができます。

年齢を問わず健康な子どもを授かれる

40歳を過ぎた出産では、生まれてくる子どもの健康リスクを心配する方も多いでしょう。

卵子ドナーを利用することで、年齢に関わらず健康な卵子を得られるため、高齢出産でも生まれてくる子どもの健康リスクを低減できるというメリットがあります。

 

高齢出産による母体への影響に不安がある場合は、卵子ドナー+代理出産という選択肢を選ぶこともできます。

代理出産について詳しく知りたい方は以下の記事も合わせてご覧ください。

代理出産とは?日本で禁止の理由や成功事例、費用までわかりやすく解説

卵子ドナーのデメリット

メリットの多い卵子ドナーですが、もちろんデメリットもあります。デメリットもきちんと理解したうえで、実施を検討するようにしましょう。

 

  • 高額な費用がかかる可能性がある
  • ドナーの情報は限定的である
  • 出自を知る子供の権利への配慮が必要
  • 日本国内での卵子ドナーは認められていない

 

それぞれのデメリットについて詳しく解説します。

高額な費用がかかる可能性がある

卵子ドナーを利用した不妊治療は、通常の体外受精と比べて高額な費用がかかる可能性があります。

体外受精に入る前に、おおよそ200万円ほどの費用がかかると見込まれます。

この金額の内訳は、主に

  • ドナーへの報酬
  • ドナーの基本検査
  • 採卵の治療と採卵
  • 仲介を行うエージェントへの報酬

となっています。

海外で行う場合は、渡航費や現地での滞在費が追加で発生するため、合計金額は300万円以上となるでしょう。

このように、卵子ドナーを利用した不妊治療には、通常の体外受精と比べて費用が高額となる傾向にあります。経済的な負担が大きいことを理解した上で、治療に臨む必要があるでしょう。また、保険適用外であることにも留意が必要です。

ドナーの情報は限定的である

卵子ドナーについては、ドナー女性のプライバシー保護の観点から、提供される情報が限定的になる傾向があります。卵子提供を受ける夫婦に開示されるドナー情報は、以下のようなものが一般的です。

  • 人種・出身国
  • 身長・体重・血液型
  • 外見の写真(開示されない場合もある)
  • 家族の病歴・遺伝的な疾患の有無

一方で、ドナー女性の氏名・住所・連絡先などの詳細な個人情報は通常非開示となります。

ドナー女性に関するパーソナルな情報を全て知ることはできないため注意が必要ですが、卵子の状態やドナーを利用するうえでの悩みなどは、仲介にあたるエージェントに相談できます。

出自を知る子どもの権利への配慮が必要

卵子ドナーを介して生まれた子どもは、自分の遺伝的な母親(ドナー)に関する情報を知る権利があるとされています。子どもの福祉を最優先に考えると、以下のような配慮が必要でしょう。

  • ドナーの匿名性を守りつつ、子どもが成長した際に、ドナーに関する一定の情報を開示できる体制の整備
  • 子どもの年齢に応じて、適切なタイミングと方法で出自を伝えていく
  • 告知後も子どもの心理的サポートを継続的に行う

子どもにどこまで伝えるかは方針次第ですが、子どもの権利を第一に考えて、あらゆるケースに備えて準備をしておくことが大切です。

日本国内での卵子ドナーは認められていない

日本では、提供された精子や卵子を用いて行う生殖補助医療は「第三者生殖」と呼ばれていますが、特に卵子提供は法律で認められていません。日本産科婦人科学会のガイドラインでも、「夫婦ではない男女の卵子と精子を受精させること」が国内で認められていないのが現状です。

受精卵を妻の胎内に移植するケースも、代理母に移植するケースも、どちらも海外の医療機関での体外授精の実施が不可欠となります。

【ケース別】卵子ドナーを利用した出産までの流れ

先述の通り、卵子ドナーを利用した出産には、

 

  • 卵子ドナーを利用し妻が妊娠する場合
  • 卵子ドナーを利用し代理出産をする場合

 

の2つのケースがあります。それぞれのケースごとの流れについて解説します。

卵子ドナーを利用し妻が妊娠する場合

卵子ドナーを利用して、妻が妊娠・出産する場合の流れは以下の通りです。

 

  1. ドナーの卵子と夫の精子を採取する
  2. 海外の医療機関で体外受精させ、受精卵を作る
  3. 海外の医療機関で妻の胎内に受精卵を移植
  4. 妊娠期間を国内で過ごし、出産

 

要望によっては、日本に受精卵を輸送し、国内の医療機関で移植することも可能です。このようなケースでも、生まれた赤ちゃんは戸籍上の実子として登録できます。

卵子ドナーを利用し代理出産をする場合

卵子ドナーを利用して、代理出産をする場合の流れは以下の通りです。

 

  1. ドナーの卵子と夫の精子を採取する
  2. 海外の医療機関で体外受精させ、受精卵を作る
  3. 海外の医療機関で代理母の胎内に受精卵を移植
  4. 代理母の妊娠の経過や健康状態をエージェントが報告
  5. 代理母による出産、赤ちゃんの引き渡し
  6. 国籍取得などの出国手続きを行い、日本に帰国

 

商業的代理出産が認可されており、法整備がされている国で代理出産を行うことで、上記の流れをスムーズに進めることができます

卵子ドナーによる高齢出産の危険性

卵子ドナーの利用を検討する方には、我が子を自分自身で産みたいという望む気持ちはもちろんあるでしょう。しかし、若いドナーから卵子提供を受け、妻自身が妊娠をするケースにおいて、40歳以上の高齢出産に該当する場合は妊娠中の健康リスクが高まるとされています。

2022年度に池田智明医師によって行われた全国調査によって、卵子提供による40歳以上の高齢出産のうち合併症などがどれくらい発症していたのかが調査されました。

結果、調査対象の171人のうち26%、およそ4人に1人が脳出血などのおそれがある「妊娠高血圧症候群」を発症していたことがわかりました。この数値は、一般的な40歳以上の高齢出産と比べて2倍以上高い割合だといいます。

参考:NHK_“卵子提供”国内で広がる背景は

 

そのため、依頼主ご夫婦の健康を第一に考えると、安全性が高いといえる「卵子ドナー+代理出産」の組み合わせを提案いたします。

不妊治療の希望に「卵子ドナー+代理出産」

卵子ドナーと代理出産を組み合わせて、元気な赤ちゃんを授かるケースも多くあります。日本国内では代理出産が実質的に不可能となるため、受精から代理母の妊娠・出産まで海外の医療機関で行うことになりますが、実子としての戸籍登録が可能ですのでご安心ください。

海外での代理出産は、日本と海外に拠点を持つエージェントに仲介を依頼する方法が一般的です。そのため、現地の医療機関との通訳や、出産から赤ちゃんの引き渡しまでの海外渡航時のサポートなどを受けることができます。

 

代理出産エージェントについて、詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。

代理出産エージェントとは?選び方から費用・事例まで詳しく解説

卵子ドナー+代理出産のメリット

卵子ドナーと代理出産を組み合わせることで、以下のようなメリットがあります。

メリット

内容

安全な妊娠・出産の

可能性アップ

ドナー卵子の若さと健康性、代理母の子宮環境により、高い妊娠率と安全な出産が期待できます。

体への負担なし

妻に妊娠・出産による身体的な負担がかかりません。

着床前診断の活用

着床前に受精卵の染色体異常などを調べ、健康な受精卵だけを選んで移植できます。

このように、卵子ドナーと代理出産の組み合わせは、子どもを望むご夫婦にとって大きな希望となります。妻の年齢や体調に左右されず、遺伝的つながりがある子どもを授かるチャンスが広がるのです。さらに、着床前診断を併用することで、子どもの健康面でも安心感が高まります。

着床前診断も利用可能

海外での代理出産では、着床前診断も利用できます。

着床前診断(PGD:Preimplantation Genetic Diagnosis)とは、体外受精で作られた受精卵を検査し、遺伝子や染色体の異常などを調べることです。流産・死産になる可能性が低い受精卵を選び、胎内に移植することができます。

また、受精卵の時点で性別を判別し、産み分けを行うことも可能です。

 

卵子ドナーと代理出産、さらに着床前診断を組み合わせることで、より確実な妊娠・出産を実現できる可能性が高まります。

 

着床前遺伝子診断については、以下の記事でも詳しく解説しています。

着床前遺伝子診断(PGD)の方法や費用を解説

 

「BabyForYou」の代理出産プログラムのご案内

卵子ドナーによる海外での代理出産を安心してお任せできる仲介業者をお探しなら、ぜひ「Baby For You」にご相談ください。

Baby For Youでは、これまでに多くの日本人ご夫婦へ赤ちゃんをお届けしてきました。会社組織として海外の医療機関と信頼関係を築き、弁護士も在籍している、実績のある代理出産エージェントです。

 

代理出産プログラムのほか、卵子提供プログラム、精子提供プログラム、着床前診断・男女産み分けプログラムを提供しています。

Baby For Youは主にウクライナ、ジョージア、カザフスタンの医療機関と提携し、安心・安全な代理出産を行っています。

厳しい審査による健康な代理母の選定や、海外現地でのサポート、日本国籍を取得するための手続きなど、さまざまな面から依頼者さまをサポートいたします。

まとめ

卵子ドナーは、不妊治療や高齢出産の希望となる手段です。メリットとデメリットを正しく理解し、ご自身の状況に合った最適な方法を選択することが大切です。

また、卵子ドナーと代理出産の組み合わせは、不妊治療における新たな選択肢として注目されています。

Baby For Youなら、健康的な卵子ドナーと代理母の選定だけではなく、着床前診断や男女の産み分けといった要望にもこたえることができます。

「海外での代理出産は、ちょっと不安……」という方は、信頼と実績があるBaby For Youにご相談ください。

 

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