2024-08-26
代理出産反対派の意見とは?安全に行うための解決策も紹介
「代理出産」は不妊に悩む夫婦にとって希望の光となる一方で、さまざまな倫理的・法的な観点で議論が交わされています。
代理出産は代理母となる女性の身体的な負担が大きいことや、依頼者側の無責任な判断によるリスクがあるといった反対意見が寄せられていることも事実です。このような反対意見を決して無視せずに、正しい知識を身につけて代理出産を検討することが大切です。
この記事では、代理出産に対する反対意見を紹介し、懸念されるリスクに対する解決策や安全な代理出産の方法について詳しく解説します。
代理出産をめぐる国内の賛否両論
代理出産は、不妊治療の一つとして注目されつつも、倫理的な問題や法律的な課題、そして代理母や生まれてくる子供の権利などに関してさまざまな議論が巻き起こっています。
日本では、日本産科婦人科学会が代理懐胎を禁止としつつも、代理出産自体は法律で禁止されていません。そのため、日本人夫婦が海外で代理出産を行い、実子として育てること自体は問題ありません。このような国内での法律上の曖昧さも、議論の種となっています。
一刻も早い法整備が望まれますが、日本国内では代理出産そのものに対する反対意見があることも事実です。
代理出産に反対する主な反対意見
それでは、代理出産に寄せられている主な反対意見を紹介します。
- 反対意見①生命の誕生をビジネスにしてはいけない
- 反対意見②依頼者側の責任感が問われる
- 反対意見③子どもの立場になって考えるべき
このように、さまざまな視点から議論が行われています。
それぞれの意見について、詳しくみていきましょう。
反対意見①生命の誕生をビジネスにしてはいけない
「代理出産は、生命の誕生をビジネスにしているような印象がある。妊娠・出産は、代理母となる女性にとって心身ともに負担がかかる行為であることをきちんと考えているのだろうか。生まれた子供に対して代理母が愛着を持ってしまうという事例も実際にあるし、金銭だけで簡単に取引すべきではないと思う。」
反対意見②依頼者側の責任感が問われる
「生まれてきた子どもに、障害があったら?一人の子どもが欲しかったのに双子だったら?『やっぱりいらない』では済まされないが、実際に引き取り拒否によるトラブルは発生している。自分自身で妊娠・出産するわけではない代理出産は、依頼者側の責任感の強さが重要だと思う。現実的に考えて養育が難しいケースもあると思うので、代理出産自体に反対だ。」
反対意見③子どもの立場になって考えるべき
「子どもが成長して、自分が代理母から生まれたということを知ったら、どう思うだろうか?大人になって、『産みの母に会いたい』と言い出しても、育ての親にとっては会わせたくない。そういった複雑な状況になった時、どうすべきかまで考える必要があると思う。大人達の都合だけではなく、成長した子どもの立場になって考えると、代理出産の認可は難しいのではないか。」
一方で、代理出産に対する賛成意見としては
- 結婚して夫婦になったのに、子宮の摘出などが原因で子どもを作れないのは不平等だ。
- 遺伝子や出生の都合は関係なく、心のつながりで親子になれる。だから代理出産は必要だと思う。
- 代理出産に関するルールができて、代理母の権利がきちんと守られていれば、今までに発生したようなトラブルは起きないのではないか。
といった考えが寄せられています。
代理出産で実際に発生したトラブル
反対意見の中でも言及されることが多い、実際に発生した代理出産のトラブルを紹介します。特に有名なのが、「ベビーM事件」と「マンジちゃん事件」です。
日本国内でも報道され、多くの方が代理出産について考えるきっかけになりました。
ベビーM事件
「ベビーM事件」とは、1986年にアメリカで起きた代理出産をめぐる訴訟です。
依頼者夫婦と代理母メアリー・ベスさんとの間で代理出産契約が締結されましたが、出産後にベスさんが子どもの引き渡しを拒否し、親権を主張しました。ベスさんは最高裁まで争いましたが、最終的に親権は依頼者側に確定しました。
この事件によって、代理母の意思が尊重されるべきという意見と、契約を守るべきという意見が対立します。また、子どもの福祉を最優先にすべきとの指摘もあり、代理出産をめぐる倫理的・法的問題の複雑さが浮き彫りになりました。依頼者・代理母双方の権利や意思をどう調整するのか、生まれてくる子の福祉をどう守るのかが問われた事件と言えるでしょう。
マンジちゃん事件
「マンジちゃん事件」は2007年に起きた、代理出産をめぐる日本の有名な事件です。
日本人夫妻がインド人の代理母に代理出産を依頼した後に離婚をしてしまったため、日本人男性の親権が認められず、生まれた子ども「マンジちゃん」が出国できなくなったというケースです。マンジちゃんは何ヶ月もインドを出国できず、最終的にインド最高裁が一次通行許可を発行し、日本への渡航が実現しました。
マンジちゃん事件は、代理出産における親子関係の法的な不安定さや、子の福祉・権利が置き去りにされるリスクを浮き彫りにした事件でした。代理出産を行う際は、これらの課題にどう対処するかが重要だと言えます。
日本国内での代理出産の現状
日本国内では、代理出産を明確に禁止する法律はありません。しかし、母子保健法や児童福祉法などの関連法規から、事実上、商業的な代理出産は認められていないのが現状です。ただし、日本人が外国で商用的代理出産を利用することは合法であり、日本政府も認めています。
2024年8月現在、国内での法整備に関しては議論が行われていますが、明確な結論は出ていません。「法律」「倫理」という2つの視点から、論点を見ていきましょう。
法律に関する議論
代理出産の議論においてなかなか結論が出ない原因の一つとして、法律の解釈の問題が挙げられます。
日本国内では代理出産を認める法律はありませんが、一方で禁止する法律もありません。ただし、1962年には最高裁が「母と子の関係は分娩の事実により発生する」という判決を下しました。このことが、国内で代理出産を実施したとしても戸籍上の問題が発生してしまう原因です。
戸籍上の問題は、
- 養子縁組の手続きを行う
- 海外で代理出産を行い、正式な戸籍の申請を行ってから帰国する
といった方法で解決できます。
倫理に関する議論
冒頭でご紹介した反対意見にもあった通り、代理出産には倫理面での議論も発生します。
実際に、日本医師会は倫理上の理由から代理出産を容認しない姿勢を見せています。
また、2003年には厚生労働省・厚生科学審議会生殖補助医療部会が「代理出産は人を生殖の手段として扱うものであり、子どもの福祉の点からも望ましくない」という声明を発表しました。
しかし、日本国内には子どもを望む夫婦が多くいることも事実です。実際に、安全なエージェントを介して国外で代理出産を行った日本人夫婦は100組以上いるとされています。
日本国内における代理出産に関しては、当事者の声を反映した法整備が望まれています。
海外で代理出産を行う方法
日本国内では代理出産が実質不可能となっていますが、商業的代理出産が認められている国で代理出産を行うことは可能です。また、海外での代理出産によって授かった子どもを我が子として日本で育てることも、法律に反する行為ではなく、全く問題ありません。
海外での代理出産は、実績のあるエージェントを介して、商業的代理出産を認めている国で行われます。エージェントを利用せずに直接海外で代理出産を依頼することはトラブルの元となりますので、推奨できません。
海外での代理出産をサポートするエージェントについては、以下の記事で詳しく解説しています。
『代理出産エージェントとは?選び方から費用・事例まで詳しく解説』
商業的代理出産を認めている国
商業的代理出産を認めている国として、以下が挙げられます。
国によっては一部の州のみで認められていたり、依頼者側に一定の条件が課せられている場合がありますので、注意しましょう。
- アメリカ合衆国
州によって法規制が異なるが、多くの州で商業的代理出産が認められている。カップルだけでなくシングルでも利用可能な州もある。
- ロシア
商業的代理出産は合法だが、依頼者はロシア人夫婦に限定されている。
- ウクライナ・ジョージア・カザフスタン
商業的代理出産を認めている。
これまで、特に日本人夫婦の利用が多いのはウクライナでしたが、戦争の影響によってジョージアとカザフスタンの利用者が増えています。現地の生活や医療事情に詳しいエージェントに依頼することで、最適な国を選定できます。
商業的代理出産が認められている国では、代理母と夫婦との関係性についても法律で定められています。
ウクライナ、ジョージア、カザフスタンでは、代理母に親権はなく、夫婦側に100%の親権が認められています。出生証明書にも記載されないため、訴えを起こされてしまうリスクはありません。
また、契約は必ず公証人事務所で交わされ、両者の権利と責任が細かく記載されています。依頼主・代理母ともに役割を果たすことが当然として認識され、違反すれば明確な罰を受けることになります。このように、法律によってトラブルが起きにくい条件が整備されているので、商業的代理出産が認められているのです。
商業的代理出産を認めている国については、以下の記事で詳しく解説しています。
『商業的代理出産を認めている国一覧。安全な代理出産を行える国とは』
海外の代理出産で我が子を授かった芸能人
海外の代理出産で子供を授かった芸能人も少なくありません。向井亜紀さんと高田延彦さん夫妻もそのうちの一組です。
向井亜紀さんは、2000年9月に妊娠と子宮頸がんが同時に発覚しました。同年11月に、子宮の全摘出手術を受けた向井さんは、胎児を失う悲しみを味わいました。
出産できない体になったことから、一時は離婚も検討したお二人でしたが、「愛する人の遺伝子を残したい」という強い思いから、2002年に代理出産に挑戦し始めました。2度の失敗を経験した後、3度目の挑戦で妊娠に成功します。2003年11月、当時31歳のアメリカ人女性が代理母となり、アメリカで双子を出産しました。高田さんと向井さん夫妻は、代理出産という選択肢によって、念願の子供を授かることができたのです。
多くの芸能人が、法整備や倫理的な議論が進む中、海外での代理出産という選択肢で子供を授かり、幸せな生活を送っています。不妊に悩むカップルにとって、代理出産は大きな希望の一つとなっているのです。
反対意見を踏まえて安全な代理出産を行うには?
代理出産は賛否両論あり、インターネット上で心無い反対意見を目にしてしまうこともあるかもしれません。しかし重要なのは、反対意見も慎重に受け止めつつ、「では安全に代理出産を行うにはどのような方法があるのか」を正しく知ることです。
海外で安全に代理出産を行うには、エージェントの利用が欠かせません。その上で、どのような点に注目することで、反対意見につながるような重大なトラブルを防げるのか、詳しく解説します。
商業的代理出産の法整備が行われている国の選定
先ほど紹介した「商業的代理出産が認められている国」では、依頼者が外国籍であっても、代理母と依頼者双方の権利を守るための法律や規制が整備されています。
一方で、インドやタイといった国では「外国人依頼者による商業的代理出産禁止」という法律がはっきりと制定されています。コストの安さなどから、インドやタイでの違法な代理出産を斡旋するような業者は決して利用しないようにしましょう。
代理母と依頼者の権利を尊重した契約
代理出産を行う上では、代理母と依頼者双方の権利を尊重した契約を交わすことが重要です。エージェントとの契約では以下のような点を明確にしておくことが求められます。
- 代理母の健康管理に関する取り決め
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- 妊娠中の定期健診の受診義務
- 妊娠中の生活習慣に関する取り決め
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- 代理母への補償内容
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- 妊娠・出産に伴う医療費の補償
- 代理母の逸失利益の補償
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- 親権の帰属
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- 出生児の法的な親権は依頼者夫婦に帰属すること
- 代理母の守秘義務
- 代理出産に関する情報を第三者に漏らさないこと
このように、代理母と依頼者双方の権利と義務を明確にした契約を交わすことで、トラブルを未然に防ぎ、安全に代理出産を実施することが可能となります。
海外現地での信頼関係構築
海外で代理出産を行う際は、現地の代理母・医療機関とエージェントとの信頼関係が非常に重要となります。
エージェントと現地の代理母との間に信頼関係があれば、以下のような確認も正確に行えます。
- 代理母の心身の健康状態
- 代理母の家族構成や生活環境
- 妊娠・出産に関するリスク
- 契約内容に対して代理母の不満や不安がないか
- 代理母との定期的なコミュニケーション
医療機関とも連携が取れており、海外ならではの仕事の進め方をきちんと理解しているエージェントであれば安心です。
現地できちんと進行管理を行い、依頼者ご夫婦の熱意を伝えてくれるでしょう。
安全な代理出産を実現した実績
実績のあるエージェントでは、トラブル防止のために法的な対応や代理母との丁寧なコミュニケーションを行い、依頼者が安心して代理出産に臨めるようサポートしています。そのため、実際に代理出産を実現した実績が豊富にあります。
インターネット上に寄せられた口コミだけではなく、実際にどれほどの実績があるのかを開示しているエージェントを選ぶことが重要です。
代理出産エージェントなら「Baby For You」
海外での代理出産を安心してお任せできる仲介業者をお探しなら、ぜひ「Baby For You」にご相談ください。
Baby For Youでは、これまでに多くの日本人ご夫婦へ赤ちゃんをお届けしてきました。会社組織として海外の医療機関と信頼関係を築き、弁護士も在籍している、実績のある代理出産エージェントです。
代理出産プログラムのほか、卵子提供プログラム、精子提供プログラム、着床前診断・男女産み分けプログラムを提供しています。
Baby For Youは主にウクライナ、ジョージア、カザフスタンの医療機関と提携し、安心・安全な代理出産を行っています。
厳しい審査による健康な代理母の選定や、海外現地でのサポート、日本国籍を取得するための手続きなど、さまざまな面から依頼者さまをサポートいたします。
まとめ
代理出産は、倫理的・法的な課題が残る一方で、不妊に悩む夫婦の希望でもあります。この記事で紹介した反対意見を踏まえつつ、安全性を確保するためにできる限りの対応をする姿勢が大切です。
代理出産のリスクはゼロではありませんが、適切な環境下で行えば、倫理的にも許容される選択肢の一つとなり得ます。現状、代理出産を望む日本人夫婦はエージェントを介して海外で合法的に代理出産を行っています。
不妊に悩みつつも代理出産には抵抗がある、反対意見を見過ごせないという方も、ぜひ一度代理出産について正しく知り、検討してみてはいかがでしょうか。
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