2024-12-26
卵子がなかなか育たない……その原因とは?対策や検査方法を解説
不妊治療をしていて「なかなか卵子が育たない」と悩んでいませんか?
卵子の発育不全は、女性ホルモンの乱れや多嚢胞性卵巣症候群、加齢による卵巣機能の低下など、さまざまな原因が考えられます。適切な検査や対策を取ることで改善できるケースも少なくありません。
本記事では、卵子が育たない主な原因や対策、検査方法を詳しく解説します。さらに、自然妊娠が難しい場合の選択肢として、代理出産や卵子ドナーの利用についても紹介します。
卵子が育たない原因とは?
不妊治療の過程で、医師から「卵子が育っていない」と指摘されるケースがあります。
排卵に至るまでの過程で、卵胞が十分に成長しないと、妊娠の妨げとなってしまいます。
この場合、以下のような複数の要因が考えられるでしょう。
- 女性ホルモンバランスの乱れ
- 多嚢胞性卵巣症候群
- 高プロラクチン血症
- 卵巣機能の低下
それぞれ、詳しく紹介します。
女性ホルモンバランスの乱れ
卵子の発育には、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)という2つの女性ホルモンが重要な役割を果たしています。これらのホルモンバランスが乱れると、卵胞の発育が阻害され、卵子が十分に育たないことがあります。
バランスの乱れは視床下部、下垂体、卵巣といった、ホルモン分泌に関わる器官の機能異常や、ストレス、過度なダイエットなどのさまざまな要因が複雑に絡み合って起こります。
エストロゲンは、卵胞を成長させる働きがあり、月経周期の前半に分泌が増加します。このエストロゲンの分泌が不足すると、卵胞が十分に発育せず、卵子の成熟が阻害されます。一方、プロゲステロンは、排卵後に分泌が増加し、子宮内膜を着床しやすい状態に整える働きがあります。プロゲステロンの分泌が不足すると、たとえ排卵が起こったとしても、受精卵が着床しにくくなり、妊娠が難しくなります。
また、エストロゲンとプロゲステロンのバランスが崩れること自体も、卵子の発育に悪影響を及ぼします。例えば、エストロゲンが過剰に分泌されている状態が続くと、プロゲステロンの分泌が抑制され、結果として卵子の成熟が妨げられる可能性があります。
このように、女性ホルモンバランスの乱れは、卵子の発育不全の大きな原因の一つと言えるでしょう。
多嚢胞性卵巣症候群
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、卵巣で男性ホルモンが多く作られることによって、卵胞がうまく育たなかったり、排卵が起こりにくくなる疾患です。
PCOSでは、月経周期が不規則になったり、全く月経が来ないといった症状が現れることがあります。また、男性ホルモンの影響で、多毛症やニキビといった症状が現れる場合もあります。PCOSは、卵子が育たない原因の大きな割合を占めるため、不妊症の女性で疑われることが多い疾患です。
PCOSの診断は、血液検査でホルモン値を調べたり、超音波検査で卵巣の状態を確認することによって行われます。
高プロラクチン血症
高プロラクチン血症は、卵子が育たない原因の一つとして考えられます。
プロラクチンは母乳を作るために必要なホルモンですが、過剰に分泌されると、排卵に必要なホルモンの分泌が抑制され、卵胞の発育に影響を及ぼすことがあります。そのため、高プロラクチン血症は不妊の原因となる可能性があります。
高プロラクチン血症は、脳下垂体に腫瘍(ほとんどの場合は良性)がある場合や、甲状腺機能低下症などの他の病気が原因で起こることがあります。また、特定の薬の副作用でプロラクチン値が上昇することもあります。
高プロラクチン血症の症状としては、生理不順や無月経、乳汁分泌などがありますが、無症状の場合もあります。そのため、不妊の原因を特定するために、血液検査でプロラクチン値を測定することが重要です。
卵巣機能の低下
卵巣機能の低下も、卵子の発育不全につながる大きな原因の一つと考えられます。
加齢とともに卵子の数や質は低下していくことが知られており、これは自然な老化現象です。一般的に35歳頃から卵巣機能の低下が始まり、40歳を過ぎるとさらに加速すると言われています。卵巣機能が低下すると、卵胞の発育が阻害され、十分に成熟した卵子が排出されにくくなり、結果として妊娠の確率が低下する可能性があります。
卵巣機能の低下は、必ずしも妊娠できないということではありません。しかし、妊娠を希望する場合は、早めに婦人科を受診し、卵巣機能の状態を検査することが大切です。また、加齢以外にも先天的な要因や、子宮内膜症、抗がん剤治療などの影響で卵巣機能が低下するケースもあります。
卵子の発育不全の検査方法
卵子の発育不全が疑われる場合、原因を特定するための検査が重要です。
主な検査方法は以下の通りです。
- 基礎体温測定
- 血液検査
- 超音波検査
一つずつ見ていきましょう。
基礎体温測定
基礎体温測定は、排卵の有無やホルモンバランスの状態を確認するための基本的な検査方法です。毎朝起床時に体温を測定し、グラフ化することで排卵日や生理周期が把握できます。
正常な場合、基礎体温は低温期と高温期に分かれますが、卵子が育たない場合は体温の変動が不安定になることがあります。日常的に続けやすい方法であり、不妊治療を始める際の第一歩となる検査です。
血液検査
血液検査では、卵子の発育に関わるホルモン値を測定します。
具体的には、卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体形成ホルモン(LH)、エストロゲン、プロラクチンなどの数値を確認します。
これにより、ホルモンバランスの乱れや卵巣機能の低下、多嚢胞性卵巣症候群などの疾患の有無が分かります。血液検査は比較的簡単に行え、卵巣の状態を正確に把握するための重要な検査の一つです。
超音波検査
超音波検査は、卵巣の状態や卵胞の成長具合を画像で確認する方法です。経腟超音波を用いることで、卵巣内の卵胞の大きさや数、子宮の状態を観察することができます。
卵子が育たない場合、卵胞が小さいまま成長が止まっていることが確認されます。また、多嚢胞性卵巣症候群の診断にも有効です。痛みが少なく、短時間で結果が得られるため、定期的な経過観察にも適しています。
卵子が育たない場合の対策
卵子が育たない場合、原因に合わせた適切な対策を取ることで改善が期待できます。ホルモンバランスの調整や生活習慣の見直し、さらに疾患に対する治療が重要です。
卵子が育たない原因は一つではなく、複数の問題が絡んでいることも多いため、総合的なアプローチが必要になります。
ホルモンバランスを整える
ホルモンバランスの乱れは、卵子が育たない大きな要因です。
ホルモン分泌を正常化するためには、適切な治療と日常生活の改善が欠かせません。婦人科を受診し、血液検査でホルモン値を確認した上で、必要に応じてホルモン療法が行われます。また、日頃からストレスを軽減し、栄養バランスの取れた食事や良質な睡眠を心掛けることがホルモンの安定につながります。
生活習慣の改善
生活習慣の乱れは卵巣機能や、前述したホルモンバランスにも悪影響を与えるため、見直しが重要です。
栄養不足や過度なダイエット、運動不足、睡眠不足などは卵子の発育を妨げる原因になります。栄養面では、鉄分やビタミンE、葉酸などを意識的に摂取し、適度な運動を習慣づけることが効果的です。また、ストレスを軽減するためのリラックス法や趣味の時間を持つことも、卵巣機能の維持には欠かせません。
多嚢胞性卵巣症候群の治療
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)による卵子の発育不全には、ホルモン療法や薬物療法が主に用いられます。
排卵誘発剤やホルモン剤を使用し、卵胞の発育や排卵を促進します。また、インスリン抵抗性が関わる場合には、血糖値を改善する薬の併用が必要になることもあります。適度な運動や食事療法も取り入れることで、さらなる症状の改善が期待できます。
医師と相談し、継続的な治療を行うことが大切です。
高プロラクチン血症の治療
高プロラクチン血症の治療には、過剰なプロラクチン分泌を抑える薬物療法が一般的です。
服薬することでホルモンバランスを整え、卵子の発育や排卵の正常化を促します。また、ストレスや薬の副作用が原因の場合は、それらの要因を取り除くことで改善することがあります。定期的にホルモン値を測定しながら治療を進めることが重要です。
卵子が育たない原因に関するよくある質問
卵子が育たないと言われた場合、多くの方が不安や疑問を抱きます。ここでは、以下のようなよくある質問に回答していきます。
- 卵子が育たないと言われたら、すぐに不妊治療が必要ですか?
- 卵子の質を改善することは可能ですか?
- 自然妊娠の可能性を高める方法は?
卵子が育たないと言われたら、すぐに不妊治療が必要ですか?
すぐに不妊治療が必要かどうかは、卵子が育たない原因や年齢、生活状況によって異なります。まずは、婦人科や不妊専門クリニックでホルモン検査や超音波検査を受け、原因を明確にすることが大切です。
軽度の場合は、生活習慣の改善やホルモンバランスを整える治療で改善するケースもあります。ただし、年齢が35歳以上の場合は卵巣機能が低下する可能性があるため、早めに医師と治療方針を相談することをおすすめします。
卵子の質を改善することは可能ですか?
卵子の質を完全に改善することは難しいものの、一定の工夫や対策でサポートすることは可能です。
バランスの良い食事、適度な運動、十分な睡眠は卵巣機能を維持し、卵子の発育を助けます。特に、葉酸やビタミンE、鉄分などの栄養素は卵子の健康に良い影響を与えます。また、ストレス管理も重要であり、心身のリラックス状態がホルモンバランスの安定につながります。
サプリメントの活用や、専門医による適切な治療も併用することで、妊娠の可能性を高めることが期待できます。
自然妊娠の可能性を高める方法は?
自然妊娠の可能性を高めるには、まず規則正しい生活習慣を意識することが重要です。
適度な運動やストレス軽減、栄養バランスの取れた食事を心がけ、卵巣機能をサポートすることがポイントです。また、基礎体温を測定し、排卵日を正確に把握することで妊娠しやすいタイミングを見極められます。婦人科でホルモンバランスや卵巣機能の状態を検査し、問題があれば早めに対処することが自然妊娠への近道です。必要に応じて、排卵誘発剤などの治療も検討しましょう。
卵子が育たないお悩みに代理出産というご提案
卵子が育たない場合、自然妊娠が難しいと診断されることもあります。しかし、現代の医療技術の発展により、さまざまな選択肢が広がっています。その一つが「代理出産」です。
代理出産は自分自身で妊娠・出産が難しい場合に、別の女性が代わりに妊娠・出産を行う方法です。卵子そのものの質に問題があるケースでも、卵子ドナーの利用と組み合わせることで、家族を持つ希望を叶える手段として注目されています。
代理出産を実施する方法
日本国内では、代理出産に関する法整備が行われていないため、違法行為ではありませんが代理出産を実施できる医療機関が無いというのが現状です。
そのため、不妊に悩む日本人夫婦の多くが海外で代理出産を行っています。渡航先として選ばれることが多いのが、商業的代理出産が認められているウクライナやジョージアです。
代理出産では、依頼主ご夫婦の精子と卵子による受精卵を代理母に移植することで、遺伝的なつながりがある我が子を授かることができます。
卵子ドナーの利用も可能
卵子が育たない、もしくは卵巣機能が低下している場合には、卵子ドナーの利用が選択肢の一つになります。
卵子ドナーとは、若い女性の提供者(ドナー)から健康な卵子を提供してもらい、パートナーの精子と体外受精を行う方法です。この受精卵を代理母の子宮に移植することで、より確実な妊娠・出産が可能になります。
卵子提供は、信頼できる医療機関やエージェントを介して行うことで、安心して進められるでしょう。
卵子ドナーについて詳しくは、以下の記事で紹介しています。
『卵子ドナーとは?利用のメリット・デメリット、代理出産という選択肢を解説』
安全な代理出産はエージェント活用で実現
代理出産を安全かつ円滑に進めるためには、専門のエージェントの活用が欠かせません。エージェントは、代理母の選定から法的サポート、医療機関との連携、海外渡航時の生活支援まで一貫してサポートしてくれます。長年の実績があるエージェントなら、現地の代理母や医療機関との間に信頼関係を構築しているため、トラブルを防ぐこともできます。
エージェントに依頼をすることで、赤ちゃんとともに日本に帰国する際の手続きや、戸籍の取得などもスムーズに行えます。
海外での代理出産をサポートするエージェントについては、以下の記事で詳しく解説しています。
『代理出産エージェントとは?選び方から費用・事例まで詳しく解説』
代理出産エージェントなら「Baby For You」
海外での代理出産を安心してお任せできる仲介業者をお探しなら、ぜひ「Baby For You」にご相談ください。
Baby For Youでは、これまでに多くの日本人ご夫婦へ赤ちゃんをお届けしてきました。会社組織として海外の医療機関と信頼関係を築き、弁護士も在籍している、実績のある代理出産エージェントです。
代理出産プログラムのほか、卵子提供プログラム、精子提供プログラム、着床前診断・男女産み分けプログラムを提供しています。
Baby For Youはウクライナやジョージア、カザフスタンの医療機関と提携し、安心・安全な代理出産を行っています。
厳しい審査による健康な代理母の選定や、海外現地でのサポート、日本国籍を取得するための手続きなど、さまざまな面から依頼者さまをサポートいたします。
まとめ
卵子が育たない原因には、ホルモンバランスの乱れや多嚢胞性卵巣症候群、高プロラクチン血症、卵巣機能の低下などが挙げられます。これらの問題に対しては、ホルモン療法や生活習慣の改善、疾患の適切な治療が重要です。しかし、自然妊娠が難しい場合でも、代理出産や卵子ドナーの利用といった選択肢があります。信頼できるエージェントを活用すれば、安全かつ円滑に代理出産を進めることが可能です。
海外での代理出産をお考えの方は、ぜひBaby for youにご相談ください。
※本記事の内容は、2024年12月時点の情報に基づいて作成しています。今後、ルールや法律の変更により内容が事実と異なる場合もありますので、ご了承ください。
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