2024-10-31
日本国内で卵子提供を受ける場合の流れ・費用・注意点をまとめて解説
日本国内では、卵子提供について法的なルールは定められていませんが、禁止はされていないためボランティアのドナーから提供を受けることができます。
ただし、日本人のドナーに限定していると、なかなかマッチングに至らなかったり仲介業者に支払う費用が高額になったりといったリスクがあります。
海外のドナーへの依頼も視野に入れることで、マッチングの可能性が高まり、費用面での負担軽減も期待できます。
この記事では、日本国内の卵子提供の状況について詳しく解説し、ドナー探しでお悩みの方に向けて海外ドナーによる卵子提供について紹介します。
卵子提供とは
卵子提供とは、若く健康な女性ドナーから卵子の提供を受け、提供を受けた方の体内で妊娠・出産を目指す医療です。
加齢や病気、あるいは先天的な理由などで卵子を作ることができない、または質の良い卵子ができないなどの場合に検討されます。
卵子ドナーについて詳しくは以下の記事で紹介しています。
『卵子ドナーとは?利用のメリット・デメリット、代理出産という選択肢を解説』
卵子提供が適応となる人
卵子提供が適応となる人は、例えば以下のようなケースです。
- 早発閉経や卵巣機能不全などで卵子を作れない方
- 抗がん剤治療や放射線治療などの影響で卵巣機能が低下した方
- 遺伝子疾患があり、子どもに遺伝する可能性を回避したい方
- 卵子の質と量が低下する40代以上の方
女性の卵子の数は、20代では10万個ほどありますが、30代で2〜3万個まで減り、40代になると1,000〜1万個程度まで減少するとされています。
また、40代以降では卵子の数だけではなく質も低下してしまうため、流産率が高くなり、不妊治療が長引く傾向にあるのです。
このような状況にお悩みの方にとって、卵子提供は大きな希望となります。
参考:厚生労働省_知っていますか?男性のからだのこと、女性のからだのこと
日本国内の卵子提供の状況
日本国内では、卵子提供は広く普及しているとは言えません。これは、卵子提供に関する法整備が進んでおらず、提供を受ける夫婦と提供するドナーとの間に金銭の授受が発生した場合、違法となる可能性があるためです。
また、日本国内では卵子提供のドナー数が少ないという問題もあります。そのため、希望する条件に合ったドナーが見つかるまでに、数年単位の長い期間を要する可能性があります。加えて、医療機関側も卵子提供の実績が少ないため、治療の選択肢が限られる可能性もあるでしょう。
日本国内で卵子提供を受ける上での注意点
日本国内での卵子提供を希望している場合、以下のような注意点に留意しておきましょう。
- 法整備がされていない
- 体外受精は海外で実施される
- 日本人卵子ドナーの負担が大きい
それぞれ、詳しく解説します。
法整備がされていない
日本では卵子提供に関する明確な法律がまだ整備されていません。これは、卵子提供が技術的に可能になった後も、倫理的な問題や親子関係の複雑さなど、さまざまな議論が続いてきたためです。
法律がないために、医療機関は独自にガイドラインを設けて卵子提供を実施しています。しかし、ガイドラインの内容は医療機関によって異なり、統一された基準がないのが現状です。
具体的には、ドナーの年齢制限や提供回数、報酬の有無など、医療機関によって対応が異なります。そのため、卵子提供を受ける際には、事前に医療機関のガイドラインをよく確認することが重要になります。
体外受精は海外で実施される
日本では、「夫婦以外の男女の卵子と精子を受精させる」という医療行為が禁止されています。そのため、日本人ドナーによる卵子提供を受けても体外受精は海外の医療機関で実施されます。
渡航先としては、ロシアやウクライナ、アメリカなどが挙げられます。これらの国では、卵子提供が比較的進んでいるため、実績豊富な医療機関が多く存在します。
ただし、海外での医療行為には、医療水準や言語の問題、渡航費用や滞在費用などの金銭的な負担など、いくつかの課題も存在します。
日本人卵子ドナーの負担が大きい
日本では卵子提供に関する法律が未整備のため、ドナーは十分な法的保護や支援を受けられずに、ボランティアとして治療に臨んでいます。
海外ではドナーに対して金銭的な負担を軽減するための支援制度が充実している場合もありますが、日本ではドナーの負担が大きくなってしまうのが現状です。
具体的には、治療に伴う通院費や交通費などが自己負担となり、治療のために休業した際の公的な手当も無いことから、経済的な負担が大きくなってしまいます。
また、卵子提供は身体への負担も小さくありません。ホルモン剤の注射による体調不良や、卵巣過剰刺激症候群などのリスクも伴います。
このように、日本においては卵子提供ドナーへのサポート体制が十分に整っていないため、ドナーに大きな負担がかかってしまうことは留意しておきましょう。
日本国内で卵子提供を受ける際の流れ
日本国内で実際に卵子提供を受ける場合の流れを紹介します。
エージェントの方針や医療機関のシステムによって異なりますが、大まかに以下のような流れで進行します。
- カウンセリング〜ドナー選定
- ドナーの海外渡航
- 採卵〜移植のための海外渡航
- 帰国〜妊娠判定
それぞれのステップごとに、詳しくみていきましょう。
1.カウンセリング〜ドナー選定
卵子提供を受けることを決めた場合、まずは医療機関でカウンセリングを受けます。その後、提携する卵子バンクやエージェントを通じて、ドナーの選定を行います。
この際に、ボランティアの日本人ドナーのみに限定して提供を待つと、マッチングまでに長い時間がかかったり、日本の卵子エージェントにドナー選定を依頼するとエージェントへの報酬が高額になったりといったリスクがあるのが現状です。
外国人ドナーによる卵子提供も視野に入れることで、よりスムーズに次のステップへ進むことができます。
2.ドナーの海外渡航
ドナーが決まったら、ドナー本人が卵子提供と体外受精を合法に実施できる海外の医療機関へ渡航しなくてはなりません。
渡航前に、医療機関の選定や治療計画、渡航スケジュール、費用などを事前に調整します。
渡航先の国や医療機関によって費用や法律、治療内容などが異なるため、医療機関との連絡や手続きは、医療コーディネーターやエージェントを通して行うのが一般的です。
3.採卵〜移植のための海外渡航
ドナーの卵巣から卵子を採取する「採卵」の時点では、提供を受ける方の渡航は必須ではありません。ただし、採卵後のステップでは提供を受ける夫婦も渡航する必要があります。
ドナーの卵子と夫の精子を受精させ、受精卵を培養したら、状態の良い受精卵を子宮内に戻す「胚移植」を行います。胚移植は、提供を受ける方の渡航が必須です。
胚移植が終わり次第、帰国となります。そして、帰国後一定期間が経ったら、妊娠判定を行います。
4.帰国〜妊娠判定
移植手術が終わったら、現地で数日程度安静期間を取った後、日本へ帰国します。帰国後は、日本で妊娠判定を受けます。血液検査を実施し、移植から2週間後が妊娠判定の目安となります。
卵子提供による妊娠は、通常の妊娠と同様に考えられます。つわりなどの症状が出現することもあれば、何も症状が出ない場合もあります。ただし、精神的な不安やストレスを感じやすくなる時期でもありますので、パートナーや家族など周囲のサポートを受けながら、ゆったりと過ごせるように心がけましょう。
日本国内で卵子提供を受ける場合の費用
日本国内で卵子提供を受ける場合、医療機関にかかる費用に加えて、渡航費や滞在費などの費用がかかります。 体外受精にかかる費用は医療機関によって異なりますが、およそ50〜100万円程度が相場です。 渡航費や滞在費は渡航先や滞在期間によって異なりますが、80〜150万円程度かかる場合が多いでしょう。
これらの費用に加えて、ドナーへの謝礼を含めたエージェント費用なども必要となるため、日本国内で卵子提供を受ける場合、全体で300〜500万円程度の費用がかかると考えておく必要があります。
日本以外で卵子提供を受けるメリット
ここまでは、日本国内でドナーを探して卵子提供を受けるケースについて紹介しました。
しかし、ドナーの選択肢は日本だけに限りません。外国人ドナーによる卵子提供を選ぶことも可能です。
外国人ドナーによる卵子提供のメリットとして、以下が挙げられます。
- 容姿が似ている人種のドナーを選べる
- ドナーへの報酬が日本人ドナーよりも安価
- 卵子提供と代理出産を組み合わせることができる
一つずつ、詳しく解説します。
容姿が似ている人種のドナーを選べる
日本国内で卵子提供を受ける場合、提供者は日本人女性に限られます。しかし、海外で卵子提供を受ける場合は、生まれてくる子どもの容姿などが気になってしまうかもしれません。
生まれてくる子どもは、親子の絆を感じられる容姿であってほしいと願う方が多いでしょう。海外の卵子バンクには、アジア系をはじめとしたさまざまな人種のドナーが登録しているため、希望に合ったドナーを見つけられる可能性が高いといえます。
ドナーへの報酬が日本人ドナーよりも安価
先述の通り、日本人のドナーに限定すると母数が少なくなるため、早急に良いドナーを見つけたいとなるとエージェントに高額な報酬を支払わなくてはならなくなります。
一方、外国人ドナーも選択肢に入れると母数が増え、卵子ドナーとして経験が豊富な方を見つけられる確率も高まるため、結果的に安価な報酬ですむ可能性が高まります。
卵子提供と代理出産を組み合わせることができる
日本国内では、ボランティアによる卵子提供は認められていますが、代理出産は認められていません。そのため、卵子提供と代理出産を組み合わせる場合は、海外で手続きを行う必要があります。
エージェントには、海外での卵子提供と代理出産を組み合わせたプログラムを提供しているサービスも存在します。これらのプログラムを利用することで、夫との遺伝的つながりを持つ子どもを、代理母の出産によって授かることができます。
ただし、国や地域によって法律や規制が異なるため、事前に十分な情報収集と準備が必要となります。
卵子提供+代理出産という選択肢のご提案
日本国内では卵子提供を受けるためのハードルが非常に高く、海外に比べて費用がかかったり、ドナーが見つかりにくいという現状があります。 そこで、卵子提供を受けるのと同時に代理出産を組み合わせるという選択肢も検討してみましょう。
代理出産とは、依頼者の代わりに代理母が出産を行うことを指します。 卵子提供と代理出産を組み合わせることで、高齢出産による健康的リスクを回避し、子育てに専念することができるでしょう。
着床前遺伝子検査や産み分けも可能
エージェントを介して、海外で卵子提供と代理出産を組み合わせる場合、着床前遺伝子検査(PGT)や産み分けを希望することも可能です。PGTとは、体外受精で作成した胚の一部を採取し、遺伝子疾患や染色体異常の有無を調べる検査です。この検査を受けることで、遺伝子疾患が子に遺伝するリスクを減らすことができます。
また、産み分けとは、培養した受精卵の染色体を調べ、希望する性別の受精卵を移植することです。医療技術の進歩により、近年では高い確率で希望の性別の赤ちゃんを授かることが可能になりました。これらの技術を組み合わせることで、より安全かつ確実な代理出産が実現できます。
着床前遺伝子診断については、以下の記事で詳しく解説しています。
代理出産エージェントなら「Baby For You」
海外での卵子ドナーと代理出産を安心してお任せできる仲介業者をお探しなら、ぜひ「Baby For You」にご相談ください。
Baby For Youでは、これまでに多くの日本人ご夫婦へ赤ちゃんをお届けしてきました。会社組織として海外の医療機関と信頼関係を築き、弁護士も在籍している、実績のある代理出産エージェントです。
代理出産プログラムのほか、卵子提供プログラム、精子提供プログラム、着床前診断・男女産み分けプログラムを提供しています。
Baby For Youは主にウクライナ、ジョージア、カザフスタンの医療機関と提携し、安心・安全な代理出産を行っています。
厳しい審査による健康な代理母の選定や、海外現地でのサポート、日本国籍を取得するための手続きなど、さまざまな面から依頼者さまをサポートいたします。
まとめ
日本では卵子提供に関する法整備が進んでおらず、卵子提供を受ける場合は多くの課題や負担が伴います。海外での治療が必要となるため、費用や渡航の手間、そして慣れない環境での治療は精神的な負担も大きいです。しかし、それでも卵子提供は、子どもを望む多くの夫婦にとって希望となる選択肢の一つです。
日本国内で卵子提供を受ける場合は、治療を受ける医療機関や仲介業者とよく相談し、治療内容や費用、リスクなどを十分に理解しておくことが重要です。
費用や母体の健康、出産までのスピード感といった面では、海外の卵子ドナーと代理出産を組み合わせる方法をおすすめします。
実績のある代理出産エージェントをお探しなら、ぜひBaby For Youにご相談ください。
※本記事の内容は、2025年10月時点の情報に基づいて作成しています。今後、ルールや法律の変更により内容が事実と異なる場合もありますので、ご了承ください。
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