2023-09-05
代理母出産のメリットと問題点
代理母出産のメリットと問題点 日本での倫理・法的問題点など
(2023年5月時点の内容となります)
いつか子どもが欲しい
と思っていても、病気の為に子どもを諦めざるを得ない方々が います。
将来を考えるほどの好きな人が出来ても、自分の体では、と一歩引いて考えていらっしゃる方々がいます。
もし、ご自身が、代理母出産(代理出産ともいいます)を考えた時、それを決心した時のメリットは何でしょうか?
メリットとしては、まず、生まれつき子宮がない、もしくは何らかの病気の問題で
子宮を摘出した女性でも、遺伝的なつながりのあるご自身の子どもを持つことができる可能性が高いということです。
そして他の不妊治療と比べても成果が高いことが挙げられます。
現在の代理母出産(代理出産)は、主に体外受精の技術を使用し
ご夫婦の精子と卵子より作成した受精卵を、 「借り腹」として子を産んでくれる第三者の女性に移植して出産を行うものが 主体となっています。
ご夫婦の精子と卵子を使用すれば、100%ご夫婦の遺伝子をもったお子さんが生まれるということになります。
体外受精の技術を使い、2014年に国内で47,322人の赤ちゃんが生まれ、
同年の体外受精で生まれた子どもの割合は 21人に1人となりました。
晩婚化を背景に加齢による不妊に悩む女性は年々増加しています。
国内初の体外受精児が誕生した1983年から30年以上が経ち、人々のライフスタイルも考え方も変わってきています。
また、女性の卵子も年齢と共に加齢していくため、子どもを持つタイミングと出産に適した年齢が合致しているとは限りません。
子どもが欲しいと思っていてもなかなか授からず、不妊治療の病院を受診した時に初めてお体の問題が発覚することが多いのです。
代理母出産(代理出産)の最大のメリット
代理母出産(代理出産)の最大のメリットは、体外受精の技術を使うことにより、
子宮に問題のある女性が、ずっと悩み、そして諦めていた
「子どもを授かる」
「ご自身の遺伝子を繋ぐ子の母になる」
という願いを 叶えることのできる唯一の方法であるということではないでしょうか。
それは子どもを諦めていたご夫婦にとって、メリットという言葉では尽くせない、
大きな価値をもたらすものであるはずです。
2003年にタレントの向井亜紀さんが、夫の高田延彦さんの間に代理母出産によって
双子のお子さんを得たとの報道が大きくなされました。
向井さんは子宮頸がんにより、2000年に子宮を全摘出しており、自身の体では 子どもを持つことができません。
また、日本では代理母出産(代理出産)自体が認められていないため、渡米し、
夫婦の受精卵を第三者に出産してもらう 代理母出産により双子の子どもを授かったのです。
しかし、帰国後、品川区は法務省の意向も踏まえ出生届を受理せず、夫妻は法廷で争うことを決めました。
結果、最高裁までもつれましたが、最高裁は「今の民法では母子関係の成立は
認められない」との代理母出産(代理出産)に対する一般判断を初めて示しました。
そして、「立法による速やかな対応を強く望む」との異例の注文を国会につけています。
現在、お二人のお子さんは戸籍上では特別養子縁組(※1.)での 親子関係になっています。
(※1.)原則として6歳未満(6歳未満から事実上養育していたと認められた場合は
8歳未満まで可能)の子どもの福祉のため 特に必要があるときに、
子どもとその実親側との法律上の親子関係を消滅させ、
実親子関係と同等な安定した養親子関係を 家庭裁判所が成立させる縁組制度のことです。
メリットとは逆の、これから考えるべき問題点としては何があるでしょうか。
まず、最初に日本国内では代理母出産(代理出産)を行っている病院がほとんどないため、
海外での処置となり、 そのための渡航費用が高額となることが挙げられます。
そして次に向井さんの例が示すように、日本の法律が未だ整備されていないことも問題点として挙げられます。
最高裁が指摘した「今の民法」は、明治時代に定められた私法の一般法で、
明治時代には、卵子提供や体外受精(※2.)の技術はなく、 「子を産んだ人が母」という考えに基づいて作成されています。
第三者が遺伝的なつながりのない子を産むという代理母出産(代理出産)のような考え方は含まれていないのです。
(※2.) 女性の子宮から卵子を取り出し、体外で受精させた後、受精卵(胚)を子宮に戻す(ET)方法。
卵子を凍結させる技術がすでにあるにも関わらず、不妊治療をしていない人が、
自己卵子を凍結保存しておくという方法は国内の病院では殆ど実施されていません。
もし万が一、ご自身の体に癌や白血病などの病気が見つかった場合、
卵子を凍結しておき、治療後に凍結しておいた卵子を使用し子どもを授かると
いうことが思い描ければ、妊娠出産を後に考えながら(最優先の問題である)病気の
治療を始めようとされている方にとって大きなメリットになるはずです。
たとえ病気の問題はなくても、自己卵子を凍結しておき、必要になった時に
使用することができれば、今よりももっと出生率は上がるはずです。
これは少子高齢化の問題を抱える日本にとってもメリットになります。
何か問題があった場合の責任論のみで物事を考えるのではなく、
皆さんの声を拾いながら大多数のメリットを優先させるという考えがもう少し必要なのではないでしょうか。
もちろん、メリットがあるからといって、大きな物事を進めるためには (メリットとデメリットの)議論を尽くさなくてはいけません。
今後、代理母出産(代理出産)のような形をとって生まれてくる赤ちゃんに
不利にならないような法整備がなされていくことを望むことはもちろん、
この問題について、国レベルでの生殖医療の議論に取り組まなければならない時代に差し掛かっているのではないでしょうか。
弊社ベイビーフォー・ユー(BFY)はウクライナでの高度な生殖医療技術を用いることにより、
真摯にお子さんを持ちたいと思っていらっしゃる方々の願いを叶える お手伝いをしたいと願っております。
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