2024-11-25
ロキタンスキー症候群とは?妊娠・出産を望む方に代理出産というご提案
「ロキタンスキー症候群」という病名をご存知でしょうか。
ロキタンスキー症候群は女性特有の疾患で、生まれつき子宮や膣が欠損していたり、十分に発達していない状態を指します。思春期になっても月経が来ないことで初めて気づくケースも多い病気です。
ロキタンスキー症候群は、子宮がない、または子宮が未発達であるため、自然妊娠が難しいという現実があります。しかし、近年では生殖医療の発達により子宮が無い方でも代理出産によって我が子を授かることができます。
この記事では、ロキタンスキー症候群について詳しく紹介します。また、妊娠・出産を望む方に向けて代理出産という選択肢についても解説します。
ロキタンスキー症候群とは
ロキタンスキー症候群は、先天的な女性生殖器の異常で、子宮や膣が欠損または低形成している状態を指します。約4500人に1人ほどの割合で発症するとされています。
医学的にはミュラー管異常症とも呼ばれ、ミュラー管の発達不全によって引き起こされます。ミュラー管は胎児期に女性生殖器となる管であり、正常に発達すれば子宮、卵管、膣上部が形成されます。ロキタンスキー症候群ではこのミュラー管の発達が阻害されるため、子宮や膣が完全に欠損したり、部分的に形成不全となってしまいます。
ロキタンスキー症候群の症状
ロキタンスキー症候群の主な症状として、以下が挙げられます。
- 原発性無月経
- 膣の欠損または短縮
- 子宮の欠損または低形成
- その他の合併症
一つずつ、詳しく解説します。
原発性無月経
ロキタンスキー症候群の代表的な症状の一つに、原発性無月経があります。原発性無月経とは、思春期を迎えても月経が始まらない状態を指します。通常、女性は11歳から14歳頃までに初経を迎えますが、ロキタンスキー症候群の方は子宮の欠損または低形成により、月経が起こりません。
15歳を過ぎても月経が始まらない場合は、他の疾患の可能性も考慮し、婦人科を受診することが重要です。
膣の欠損または短縮
ロキタンスキー症候群は、膣の欠損または短縮といった症状が現れることが多くあります。膣とは、子宮と外陰部をつなぐ管状の器官です。性交や月経血の排出路となるほか、出産時には産道としての役割も担います。ロキタンスキー症候群では、この膣が生まれつき欠損している場合や、短く発達不十分な場合があります。
膣の欠損があると、月経血が体外に排出されず、先述の原発性無月経の原因にもなります。膣の短縮の場合は、性交痛などで自覚する可能性があります。膣の欠損や短縮の程度は患者によって異なり、全く膣がない場合もあれば、短いながらも膣が存在する場合もあります。
ロキタンスキー症候群における膣の欠損や短縮は、日常生活に大きな影響を及ぼす可能性があります。そのため、適切な診断と治療が必要となります。
子宮の欠損または低形成
ロキタンスキー症候群では、膣だけではなく、赤ちゃんを育てる子宮にも異常が見られることが多く、子宮の欠損または低形成が主な症状の一つです。
子宮の欠損とは、子宮が全く形成されていない状態を指します。一方、子宮低形成とは、子宮が小さく未発達な状態を指します。子宮低形成の場合、子宮は存在するものの、通常よりも小さく、機能が不十分なことがあります。
子宮の欠損または低形成の程度は、患者によって大きく異なり、症状の程度にも影響を与えます。
その他の合併症
ロキタンスキー症候群は、子宮や膣の異常だけでなく、他の臓器にも合併症が現れる場合があります。
泌尿器系の異常としては、腎臓の欠損や異形成、尿管の重複や異所性開口などが挙げられます。腎臓は体内の老廃物を排出する重要な臓器であるため、欠損や機能不全があると健康に深刻な影響を及ぼしてしまいます。また、尿路の異常は尿路感染症のリスクを高める可能性があります。
ロキタンスキー症候群の原因として考えられる内容
ロキタンスキー症候群は、原因が明確になっていない疾患です。現状、なんらかの関わりがあるとされているのは「遺伝子異常」と「環境要因」です。
はっきりと原因として言い切ることはできませんが、可能性として上記2つの詳細について解説します。
遺伝子異常の可能性
特定の遺伝子がロキタンスキー症候群に直接関連しているという明確な結論は出ていません。しかし、複数の遺伝子が関与している可能性や、遺伝子の変異がロキタンスキー症候群の発症リスクを高める可能性が示唆されています。
遺伝子の中には女性器の発生に関与しているものがあり、これらの遺伝子の変異がロキタンスキー症候群の発症に関連している可能性があります。また、性染色体異常や染色体構造異常なども、ロキタンスキー症候群の発症に関与している確率が高いです。
ただし、これらの遺伝子異常がすべての症例で確認されているわけではなく、現在は未だ研究段階となっています。
環境要因の可能性
ロキタンスキー症候群の原因は、遺伝子異常の可能性が示唆されている一方で、環境要因の関与も研究されています。
ロキタンスキー症候群は、胎児の発生過程におけるミュラー管の異常が原因で起こると考えられています。ミュラー管は、女性生殖器(子宮、膣、卵管)のもととなる組織です。妊娠初期、特に妊娠4週から8週頃に、ミュラー管の形成に何らかの異常が生じると、ロキタンスキー症候群のような症状が現れる可能性があるのです。
環境要因として、妊娠中の母親の薬物曝露、ウイルス感染、栄養不良、糖尿病などがミュラー管の発生に影響を与える可能性が指摘されています。しかし、これらの要因とロキタンスキー症候群との因果関係は明確には証明されていません。
ロキタンスキー症候群の診断
原発性無月経などの自覚症状から、ロキタンスキー症候群と実際に診断されるまでは、以下のような検査が実施されます。
- 身体検査
- 画像検査
- 遺伝子検査
それぞれの検査方法について詳しく紹介します。
身体検査
ロキタンスキー症候群の診断には、まず身体検査が行われます。身体検査では、医師が視診と触診によって患者の身体の状態を確認します。具体的には、外陰部の発育状態、膣の有無や長さ、子宮の大きさなどを確認します。
これらの身体診察の結果から、ロキタンスキー症候群の可能性が示唆されます。しかし、確定診断のためには、後述する画像検査や遺伝子検査が必要になります。
画像検査
子宮は体内にある臓器であるため、ロキタンスキー症候群の診断には画像検査が重要な役割を果たします。超音波検査、MRI検査、CT検査などの画像検査によって、子宮や膣の状態、そして泌尿器系の異常の有無などを詳しく調べることができるためです。
- 超音波検査
手軽に子宮や卵巣の状態を確認できる検査方法です。費用も比較的安価で、痛みを伴わないため、最初に実施されることが多い検査です。
- MRI検査
磁気共鳴画像法を用いて、子宮や膣の形態をより詳細に描出する検査です。超音波検査よりも詳細な情報を得ることができ、子宮の大きさや形、膣の有無や長さなどを正確に把握できます。
- CT検査
X線を用いて体の断面を撮影する検査方法です。骨盤内の臓器の状態を詳しく調べることができます。
これらの画像検査の結果を総合的に判断することで、ロキタンスキー症候群の確定診断へとつながります。
遺伝子検査
ロキタンスキー症候群の診断において、遺伝子検査は確定診断のためだけでなく、他の関連疾患との鑑別や将来的なリスク評価に役立ちます。遺伝子検査は、血液サンプルからDNAを抽出し、特定の遺伝子の変異を調べます。ロキタンスキー症候群は、単一遺伝子疾患ではなく、複数の遺伝子が関与していると考えられているため、原因となる遺伝子変異が特定されていない場合もあります。
ロキタンスキー症候群に関連するとされている遺伝子には、WNT4、WNT7A、WNT9B、HOXA10、HOXA11などがあります。これらの遺伝子は、子宮や膣の発達に重要な役割を果たしていることが知られています。遺伝子検査では、これらの遺伝子に変異がないか調べられます。
ロキタンスキー症候群の治療法
ロキタンスキー症候群によって子宮や膣が欠損している、または縮小している状態でも正常な性交や月経が実現できるよう、「膣拡張術」または「膣形成術」による治療が行われます。
それぞれの治療法の違いをみていきましょう。
膣拡張術
ロキタンスキー症候群の治療法の一つとして、膣拡張術があります。膣拡張術は、子宮がない、または膣が小さい場合に、性交を可能にするために膣をつくる方法です。具体的には、短縮している膣部分に、専用の器具(プロテーゼ)を挿入し、徐々に膣を広げていきます。
膣拡張術は、手術を必要としないため、身体への負担が少ないというメリットがあります。また、自宅で行うことができるため、通院の必要もありません。しかし、毎日決められた時間にプロテーゼを挿入する必要があるため、患者自身の自己管理が重要です。また、拡張による痛みを伴う場合もあるため、医師の指示に従って慎重に行う必要があります。
膣形成術
膣形成術は、ロキタンスキー症候群による膣の欠損が大きい方に対して実施される、手術を伴う治療法です。
膣形成術では、腸管や腹膜、太ももの皮膚などを用いて人工的に膣を形成します。手術による膣形成術は、自己拡張法に比べて短期間で膣を形成できるというメリットがあります。
どの方法を選択するかは、患者の状態や希望、医師の判断によって決定されます。どの術式にもメリット・デメリットがあるため、医師とよく相談することが重要です。
ロキタンスキー症候群と妊娠・出産
ロキタンスキー症候群は子宮の欠損または低形成を特徴とするため、自然妊娠は困難です。子宮がない場合、胎児を育てる場所がないため、妊娠は不可能となります。子宮が低形成の場合も、妊娠が難しく、また妊娠しても流産や早産のリスクが高くなります。
ロキタンスキー症候群の方は、子宮の形態によっては妊娠継続が難しいと判断される場合もあります。そのため、妊娠を希望する場合は、医師との綿密な相談が必要です。子宮移植などの新しい技術も開発されていますが、まだ研究段階であり、一般的に利用できる治療法ではありません。
子宮の発育異常があっても我が子を授かれる「代理出産」
ロキタンスキー症候群によって子宮に異常があると、自然妊娠は困難です。しかし、それでも遺伝子的につながった子どもを望む方には、代理出産という選択肢があります。
代理出産とは、第三者に代理母となって妊娠・出産をしてもらう方法です。代理母は、依頼主ご夫婦の精子と卵子による受精卵を子宮に移植して妊娠することができます。つまり、依頼主ご夫婦と100%遺伝的なつながりを持つ子どもを授かることが可能です。
代理出産は、子宮の欠損や機能不全といった問題を抱える方にとって、希望の光となるでしょう。
日本人夫婦が代理出産を行う方法
日本では代理出産に関する法律が未整備のため、多くの日本人夫婦は海外で代理出産を行います。特にウクライナ、ジョージアなどが代理出産の渡航先として選ばれています。これらの国では代理出産に関する法制度が整っており、比較的スムーズに手続きを進めることができます。しかし、国によって法律や手続き、費用は大きく異なるため、事前に十分な情報収集が必要です。信頼できる代理出産エージェントに相談し、適切なサポートを受けることが重要です。
代理出産エージェント「Baby For You」のご紹介
海外での代理出産を安心してお任せできる仲介業者をお探しなら、ぜひ「Baby For You」にご相談ください。
Baby For Youでは、これまでに多くの日本人ご夫婦へ赤ちゃんをお届けしてきました。会社組織として海外の医療機関と信頼関係を築き、弁護士も在籍している、実績のある代理出産エージェントです。
代理出産プログラムのほか、卵子提供プログラム、精子提供プログラム、着床前診断・男女産み分けプログラムを提供しています。
Baby For Youはウクライナやジョージア、カザフスタンの医療機関と提携し、安心・安全な代理出産を行っています。
厳しい審査による健康な代理母の選定や、海外現地でのサポート、日本国籍を取得するための手続きなど、さまざまな面から依頼者さまをサポートいたします。
まとめ
ロキタンスキー症候群は、女性生殖器の先天的な異常であり、子宮の欠損または低形成を特徴とする症候群です。思春期になっても月経が始まらない原発性無月経や、性交痛などの症状が現れます。原因は完全には解明されていませんが、遺伝子異常や環境要因などが関わっていると考えられています。診断には、身体診察、画像検査、遺伝子検査などが行われます。子宮がない、または子宮が未発達であるため自然妊娠はできませんが、代理出産という選択肢で遺伝子上の我が子を持つことが可能です。
海外での代理出産を検討される場合は、「Baby For You」にぜひご相談ください。
※本記事の内容は、2025年11月時点の情報に基づいて作成しています。今後、ルールや法律の変更により内容が事実と異なる場合もありますので、ご了承ください。
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