2024-09-30
不育症検査の内容とは?7種類の検査ごとに費用や手順を詳しく紹介
不育症とは、2回以上の流産や死産などを繰り返す疾患です。 不育症の原因はさまざまであるため、特定するには適切な検査を受ける必要があります。
検査を通して原因が特定できれば、最適な治療方法を選択することができます。
この記事では、不育症の検査の種類や内容、費用などについて詳しく解説していきます。
不育症の検査の種類・内容とは?
不育症とは、2回以上の流産や死産を繰り返している状態を指します。
不育症の主な原因は、染色体異常や子宮の形態異常と考えられています。不育症と診断された場合は、適切な検査を実施して原因を突き止めなくてはなりません。
ただし、流産は決して珍しいことではなく、医療機関で確認された妊娠の15%前後が流産になるというデータが確認されています。
そのため2回以上の流産を経験し不育症と判断される方も少なくはなく、日本では1年間で3万人が不育症を発症しているという試算もあります。
また、流産の確率は年齢とともに向上し、40歳代の流産率は50%ほどとされています。
参考:一般社団法人日本生殖医学会_年齢が不妊・不育症に与える影響
不育症の検査を実施するケース
不育症の検査は、流産や死産を繰り返す原因を特定するために行います。一般的に、次のようなケースで検査を実施します。
- 2回以上の流産・死産を経験した場合
- 35歳以上で流産・死産を経験した場合
- 習慣流産(3回以上連続で流産)した場合
不育症と診断されても、70〜80%以上の方が次回妊娠時に出産に至ることができています。
そのため、必要以上に気落ちすることなく、前向きな気持ちで検査を受けましょう。
不育症については、以下の記事で詳しく解説しています。
不育症の検査の内容と費用
不育症の検査では、主に以下の7種類の検査を行います。
番号 |
検査名 |
検査内容 |
1 |
抗リン脂質抗体検査 |
自己免疫性疾患の有無を調べる |
2 |
子宮形態検査 |
子宮の形や病変の有無を調べる |
3 |
染色体検査 |
夫婦の染色体異常の有無を調べる |
4 |
内分泌代謝検査 |
ホルモンバランスの異常を調べる |
5 |
血液凝固系検査 |
血栓ができやすい体質かを調べる |
6 |
NGS流産胎児(絨毛)染色体検査 |
流産組織の染色体異常を調べる |
7 |
精子DNA断片化指数(DFI)検査 |
精子のDNA損傷度合いを調べる |
これらの検査結果をもとに、不育症の原因を特定し、適切な治療方針を立てていきます。
それぞれの検査内容や費用について、以下から詳しくみていきましょう。
1.抗リン脂質抗体検査
不育症検査の中でも基本的な検査の一つが抗リン脂質抗体検査です。この検査では、血栓症のリスクを高める抗体の有無を調べます。検査項目の内容は以下の通りです。
- 抗カルジオリピンIgG抗体
- 抗カルジオリピンIgM抗体
- ループスアンチコアグラント
検査の手順は、採血後に血液を分析するだけなので、身体への負担は少なく済みます。また、多くの医療機関で受けられる一般的な検査のため、費用は比較的安価で、1万円程度が目安となります。
もし抗体が陽性であれば、血栓ができやすい状態と判断されます。その場合、妊娠初期から低用量アスピリンの内服や、ヘパリン注射による治療が行われます。
2.子宮形態検査
子宮形態検査では、子宮の形や大きさ、筋腫や内膜ポリープなどの異常がないかを調べます。検査方法は以下の2種類があります。
- 経腟超音波検査
膣から超音波プローブを挿入し、子宮の状態を観察します。費用は5,000円~10,000円程度です。
- 子宮卵管造影検査
子宮口から造影剤を注入しレントゲン撮影を行い、子宮や卵管の形態を調べます。費用は30,000円~50,000円程度です。
子宮形態検査で異常が見つかった場合は、子宮筋腫の摘出手術や内膜ポリープ切除術などの治療を行います。
3.染色体検査
不育症の原因の一つに、夫婦の染色体異常が挙げられます。染色体検査では、夫婦双方の血液を採取し、染色体の数や形態に異常がないかを調べます。
検査の手順は以下の通りです。
- 夫婦双方から血液を採取
- 培養した血液中のリンパ球から染色体を取り出す
- 染色体の数や形態を顕微鏡で観察
- 結果を分析し、異常の有無を判定
染色体検査の費用は、およそ10万円~20万円程度です。検査結果が判明するまでには、約1ヶ月ほどかかります。
染色体検査で異常が見つかれば、適切な治療方針を立てることができます。不育症の原因究明において重要な検査の一つといえるでしょう。
4.内分泌代謝検査
不育症の原因として、ホルモンバランスの乱れが考えられます。内分泌代謝検査では、以下のような項目を調べます。
- 甲状腺機能検査(TSH、FT3、FT4)
- 糖尿病検査(空腹時血糖、HbA1c)
- プロラクチン値測定
- 男性ホルモン値測定(テストステロン、DHEA-S)
これらの検査は保険適用となり、患者負担は30%です。ホルモンバランスに異常が見つかった場合は、薬物療法などで是正を図ります。適切なホルモンコントロールにより、着床率や妊娠継続率の改善が期待できます。
5.血液凝固系検査
血液凝固系検査は、血液が固まるメカニズムに問題がないかを調べる検査です。検査内容は、以下のような項目となります。
- プロテインC活性
- プロテインS活性
- ループスアンチコアグラント
- 第XII因子活性
これらの検査は、血液を採取するだけで行えます。検査結果によっては、血栓ができやすい状態(血栓性素因)が明らかになります。
血液凝固系検査は保険適用外のため、全額自己負担になります。検査の費用は、各項目につき5,000円前後が目安です。検査結果をもとに、医師から今後の治療方針について説明がありますので、しっかりと話し合うことが大切です。
6.NGS流産胎児(絨毛)染色体検査
NGS流産胎児(絨毛)染色体検査は、流産した胎児の染色体異常を調べる検査です。この検査では、流産した胎児の絨毛や組織の一部を採取し、次世代シーケンサー(NGS)という機器を用いて、全染色体の異常の有無を網羅的に解析します。
検査の特徴は以下の通りです。
- 全染色体の異常を一度に解析できる
- 微小な染色体の欠失や重複も検出可能
- 胎児の染色体異常の原因が特定できる
検査の流れは次のようになります。
- 流産した胎児の絨毛や組織を採取
- 採取した検体からDNAを抽出
- NGSで全染色体を解析
- 結果報告
検査費用は医療機関によって異なりますが、10万円前後が目安です。流産を繰り返す原因の特定に有用な検査ですが、高額であるため、医師とよく相談の上、検査を受けるかを決めましょう。
7.精子DNA断片化指数(DFI)検査
精子DNA断片化指数(DFI)検査は、精子のDNAの損傷度合いを調べる検査です。DNAの断片化率が高いと、妊娠の可能性が下がったり、流産のリスクが高まったりすることがあります。
検査の手順は以下の通りです。
- 精液を採取
- 精子を特殊な試薬で染色
- フローサイトメーターという機械でDNA断片化率を解析
DFI検査は、他の検査で原因がわからない不育症の場合に検討されます。DNA断片化率が高い場合は、抗酸化物質の投与などで改善を図ることもあります。また、顕微授精による体外受精を行う際の精子選択の参考にもなります。
不育症の検査後に実施する治療
不育症の検査結果を踏まえて、原因に応じた治療を行います。代表的な治療法は以下の通りです。
- 抗リン脂質抗体症候群・血液凝固異常の場合
・低用量アスピリン療法
・ヘパリン療法
- 子宮形態異常の場合
・子宮鏡下手術
- 染色体異常の場合
・着床前診断による健常胚の選別
- 内分泌異常の場合
・ホルモン補充療法
また、原因不明の場合は経験的治療として、以下のような方法が考えられます。
- 黄体ホルモン補充
- 免疫療法
- 漢方療法
このように、不育症の原因に応じた治療や経験的治療を通して、妊娠の継続や出産への道が開けていきます。
保険適用外となる不育症の検査に活用できる助成金
不育症の検査は、多くが保険適用外となるため、費用負担が大きいのが悩みの種です。そんな方におすすめなのが、不妊治療助成制度の利用です。
助成制度には主に以下の2種類があります。
- 不育症検査費助成:不育症検査にかかった費用の一部を助成
- 特定不妊治療費助成:体外受精や顕微授精などの特定不妊治療費の一部を助成
これらの助成制度は、お住まいの都道府県や市区町村によって、助成内容や申請方法が異なります。事前に確認しておくことをおすすめします。
不育症にお悩みの方へ「代理出産」というご提案
不育症の検査や治療を進めても、なかなか妊娠・出産に至らないケースもあります。
その原因として考えられるのが、母体の高齢化による卵子の質・数の低下です。
35歳以上の高齢出産となると、体外受精を実施しても着床しにくくなったり、妊娠に成功しても出産時の健康リスクが高くなるという懸念があります。
そのような状況で、選択肢として検討いただきたいのが「代理出産」です。
代理出産とは
代理出産とは、体外受精した夫婦の受精卵を第三者の女性(代理母)の子宮に移植し、代理母が妊娠・出産を行うという出産方法です。流産を繰り返して不育症と診断され、検査結果や治療の経過が芳しくなかったご夫婦でも、遺伝的な繋がりがある子どもを授かることができます。
代理出産は日本では認められていませんが、ウクライナやジョージアなど、商業的代理出産が合法である国は複数存在します。これらの国で、エージェントを介した適切な契約を行うことで安全な代理出産が可能となります。
また、日本国内で代理出産ができないといっても、法的に禁止されているわけではありません。海外で代理出産を行い、帰国して実子として育てることは全く問題ないため、ご安心ください。
エージェントへの依頼で安全な代理出産
代理出産を海外で実施すると聞くと不安に感じる方もいるかと思いますが、代理出産を行う際は信頼できるエージェントの活用が安全な実施につながります。優良なエージェントを選ぶことで、代理母の選定から医療機関との連絡、出国時の法的手続きまで代行してもらえるのです。
代理出産エージェントを活用することによるメリットを詳しく紹介します。
代理出産エージェントのサービス内容
代理出産のエージェントを活用することで、以下のようなサービスが受けられます。
- 現地医療機関との密に連携を取ってもらえる
- 適切な代理母の選定とマッチングをしてもらえる
- 法的・医療的サポートが充実している
- 渡航時の通訳や生活をサポートしてもらえる
- 生まれた赤ちゃんの出国手続き・パスポート取得を代行してもらえる
実際に多くの日本人夫婦が、エージェントを介した代理出産で我が子を授かっています。
海外での代理出産をサポートするエージェントについては、以下の記事で詳しく解説しています。
『代理出産エージェントとは?選び方から費用・事例まで詳しく解説』
卵子ドナー+代理出産でさらに成功率が高まる
母体が高齢のため代理出産を検討する場合、よりスムーズかつリスクの少ない方法として卵子ドナーと代理出産を組み合わせるのも一つの選択肢です。
卵子ドナーを活用することで、以下のようなメリットがあります。
- 若くて健康な卵子を使用できる
- 受精卵の質が高まり、着床率や妊娠率が上がる
- 流産のリスクが減る
さらに、代理母の子宮で妊娠・出産することで子宮の問題による流産を防ぎ、高齢などで妊娠・出産が難しい方でも我が子を授かれるといった効果が期待できます。
代理出産エージェントなら「Baby For You」
海外での代理出産を安心してお任せできる仲介業者をお探しなら、ぜひ「Baby For You」にご相談ください。
Baby For Youでは、これまでに多くの日本人ご夫婦へ赤ちゃんをお届けしてきました。会社組織として海外の医療機関と信頼関係を築き、弁護士も在籍している、実績のある代理出産エージェントです。
代理出産プログラムのほか、卵子提供プログラム、精子提供プログラム、着床前診断・男女産み分けプログラムを提供しています。
Baby For Youは主にウクライナ、ジョージア、カザフスタンの医療機関と提携し、安心・安全な代理出産を行っています。
厳しい審査による健康な代理母の選定や、海外現地でのサポート、日本国籍を取得するための手続きなど、さまざまな面から依頼者さまをサポートいたします。
まとめ
不育症の検査には、抗リン脂質抗体検査、子宮形態検査、染色体検査など7種類あります。
これらの検査を組み合わせて原因を特定し、適切な治療を行うことが大切です。
また、検査費用の一部は助成金を活用できる場合もあります。不育症の検査や治療にお悩みの方は、ぜひ専門医に相談してみてください。
それでも妊娠・出産が難しい場合は、代理出産という選択肢もあります。信頼できる代理出産エージェントに依頼することで、安全で合法的なサポートを受けられます。卵子ドナーと代理母を利用することで、さらに成功率が高まるでしょう。
代理出産をご検討中の方は、ぜひ「Baby For You」にご相談ください。
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